Hi, 皆さん、Evineです。
昨日は暑い1日でした。気温の変化でやられそうですね、皆さん、ご自愛ください。
さて、対面式レッスンの再開で、教室に活気が戻りました。
生徒がいる教室、やっぱ教室には生徒やね、こんな当たり前のことをありがたく、嬉しく感じます。
さて、今回は英英辞典は便利ですよ、の話です。
以前に英語学習において便利な調べ方ツールについて書きました。
さて、普段授業をしていて積極的に辞書を活用する生徒は少なく、英英辞典にいたっては皆無です。これは私のスクールで啓蒙できていない残念な結果でもあるのですが、利便性がわかれば手放せなくなります。
色んなメリットはありますが、2点挙げておきましょう。
1. 似た語彙のニュアンスの違いがわかる。
2. ネイティブらしい英語表現も一緒に学べる。
例えば、高3生でも意外と覚えていないstealとrobの使い分けを考えてみましょう。
どちらも「盗む」系の日本語のイメージだけで覚えていると痛い目に遭います。
早速ですが、愛用しているMacmillan Dictionaryで調べます。
steal: to take something that belongs to someone else without permission
rob: to take money or property illegally from a person or place, often using threats or violence
Macmillan Dictionaryのdefinition(語義)を参考にすれば、具体的な使い方がイメージできるようになります。
まず、どちらにもtakeが語義に用いられています。
takeは「物(人)をある所から他のところへ移動させる」ことを意味する他動詞です。このtakeが共通しているため、当然感覚として混同する受験生は出てきます。
そこで、大きく異なる点に注目しましょう。
stealはwithout permission=「許可なく」、一方、robはoften using threats or violence=「よく脅しや暴力を用いながら」と同じモノを取る行為でも状況が異なるわけですね。このような感覚の違いをまずは英英辞典などでしっかり調べて押さえておく必要があります。
その上で、目的語の内容やどんな前置詞と用いられるのかなど語法を覚えていく順番になります。
stealは「モノを人からこっそり黙って盗む」というニュアンスで「steal O from 人」、一方、robは「人や(銀行・店など)場所を襲って(お金・財産など)モノを奪い取る」というニュアンスで「rob O of モノ」のカタチで用います。
両者、Oの内容がそもそも異なるわけです。of=分離のニュアンスですから、モノを人・場所から引きはがす、強奪する感覚がrobにはofで出てるわけですね。
robは「襲う」という意味ですから、目的語には「襲う相手(人・銀行・店など)」を置くわけですね。金品は襲う対象にはならないのでstealとは違ってrobの目的語には金品を置きません。
辞書のない英語学習はあり得ません。書籍、電子、オンライン、いずれもメリット・デメリットはありますのでその時の状況で私は使い分けるようにしています。
今回のstealとrobのニュアンス区別に限らず、英語の語義を読み物として捉えることで、色々と自然なネイティブの表現方法を学ぶことができますので一石二鳥ですね。
ではせっかくなので最後にクイズです。
Q. 正しいものを1つずつ選んでください。
1. He [ robbed / stole ] money from his parents.
2. They threatened to shoot him and [ stole / robbed ] him of all his possessions.
3. I had my wallet [ stolen / robbed ] at the metro station.
4. His house was [ stolen / robbed ], and $500 was [ stolen / robbed ].
答え合わせ
1. He stole money from his parents.
基本ですね。「steal+モノ」の語順がポイントです。
「彼はお金を両親から盗んだ」
2. They threatened to shoot him and robbed him of all his possessions.
これも基本。「rob+襲う相手・場所」の語順がポイントです。
「彼らは撃つぞと脅し、彼から全財産を奪った」
3. I had my wallet stolen at the metro station.
使役動詞have O+過去分詞「Oを〜される」です。Oと過去分詞は受け身の関係になっており、my wallet was stolenと言い換えることができます。
さらにこれは元々Someone stole my wallet(誰かが私の財布を盗んだ)が変化したものと考えます。my walletを目的語にできるのはstealですから、stolenが正解ということになります。
「地下鉄の駅で財布を盗まれたんだ」
4. His house was (a)robbed, and $500 was (b)stolen.
(3)番のように、受け身は元の語順で考えるとポイントを押さえやすいです。受け身の主語His houseと$500は元々、能動態の目的語に当たります。つまり、His houseを目的語にできるのはどちらの動詞か、$500を目的語に取れるのはどちらの動詞か?を検討すればいいわけですね。
念のため能動態に戻して考えます。
前半は、Someone robbed his house「誰かが彼の家を襲った」、後半は、Someone stole $500「誰かが500ドルを盗んだ」となります。
目的語の内容をチェックすれば、それぞれ(a)はrobbed、(b)はstolenと判断できます。
「彼の家は強盗に遭い、500ドルが盗まれました」
Thanks for reading.