Hi、皆さん、エビンです。
入門レベルの中学英文法の復習シリーズ、ラストスパートです。
今回は受け身を用いた英文です。
過去の復習はコチラです。
受け身の英文
英文の基本は、行為・動作主を話の中心にして「誰が何をするのか」を伝えることです。これを能動態と呼びます。
では「何かをされた側」を話の中心にするにはどうすれば良いのでしょうか?
そこで便利な話の中心を切り替える受け身(受動態)を今回は復習していきましょう。
例題Q.1
カッコ内の語を自然な意味になるように正しく並べ替えましょう。 (1) ( by / robot / made / this / was ) a little boy. (2) ( stolen / bike / his / was ) yesterday. |
「主語+be動詞+過去分詞+by〜」([主語]は〜に…される)の受け身表現
(1) 動詞を「be動詞+過去分詞」に変え、「…される」「…られる」という表現にしたものを受け身(受動態)と呼びます。早速ですが、もとの英文(能動態)と比較しましょう。
能動態:主語A little boy made 目的語this robot.
(小さな男の子がこのロボットを作った)
受け身:主語(能動態の目的語)This robot was made 動作主(能動態の主語)by a little boy.
(このロボットは小さな男の子に作られた)
能動態の目的語this robotを主語にし、動詞の過去形madeをwas made(be動詞の過去形+過去分詞)にしたものが受動態です。
また前置詞byを用いることで「〜によって」と動作主を示すことができます。問題(1)はこの受け身の語順にすれば正解でした。
さて、能動態では動作主が何をしたのか、単純に「〜が…する」ことを表現するわけですが、受け身は、もともと主語ではなかった動作を受ける側(目的語の位置にある名詞)を主語にして「何をされたのか」という行為の影響や結果を重視した表現になります。能動態から受け身に言い換えることで主語が入れ替わり、話題の中心(何をしっかりと相手に伝えたいのか)が変化するというのが大きなポイントです。
同じ事実ですが、異なる意識で表現されていることを押さえてください。
Q.1 (1)正解:This robot was made by a little boy.(このロボットは小さな男の子が作ったんだよ)
動作主「by〜」の省略
(2) 問題(1)とは異なり、普通に「~が自転車を盗んだ」と言いたくても、この問題では主語(ここでは犯人)が不明です。そこでもともと主語が分からない場合や動作主をわざわざ示す必要性や重要性がないような場合にも受け身を用いるのが一般的です。
今回であれば無理にby someone(誰かによって)とわざわざ示す必要もなく、盗まれた自転車(目的語)を主語にした受け身にするのが自然です。実際に、by 〜を省略した受け身の方が使用頻度は高いです。
Q.1 (2)正解:His bike was stolen yesterday.(昨日、彼の自転車が盗まれたんだよ)
あっさりと事実を伝えたければ能動態で主語をSomeone(誰かが)を用いてもOKです。
Someone stole his bike yesterday.(昨日、誰かが彼の自転車を盗んだんだ)
文法的にはこのように能動態でも表現できますが、伝え方の問題ですね。
日本語の違いだけを覚えるのではなく、なぜ受け身を用いるのか、も押さえることが大切です!
例題Q.2
次の英文を自然な受け身の形で言い換えましょう。 (1) Mika didn’t invite Ryota to the party. (2) Some friends call me Ann. |
受け身の否定文と疑問文
(2) be動詞を用いる受け身は否定文や疑問文もbe動詞を用いた英文と同じパターンで作ることができます。つまり、「be動詞+not」で否定文、「主語とbe動詞の位置を反対」にすれば疑問文になります。
肯定文:The passport was stolen.(パスポートが盗まれた)
否定文:The passport wasn’t stolen.(パスポートは盗まれなかった)
疑問文:Was the passport stolen?(パスポートは盗まれたの?)
前置きが長くなりましたが、問題文のdidn’t invite(招待しなかった)が過去の否定文であることに注目しましょう。didn’t invite ... to+場所(〜に…を招待しなかった)の「…」の部分(目的語)を主語にした受け身の否定文になりますが、ここで注意したいのは目的語Ryotaを主語の位置に移動させた時に、「to+場所」はそのままの形で残しておき、(×)Ryota wasn’t invited the party ...と前置詞toを落とさないようにしてください。
Q.2 (1)正解: Ryota wasn’t invited to the party by Mika.(リョウタはミカにパーティーに招待されませんでした)
動作主であるMikaを示す必要性が感じられない場合はby Mikaをあえて省略することは可能です。また英語では既に言及済みの旧情報は相手に伝えたい優先順位が下がるため、by her(彼女によって)のような「by+目的格の代名詞」は省略される傾向にあります。
*一般的に、名詞を言い換えた代名詞は旧情報と考えます。
受け身の重要ルール
(2) まず「call A B」(AをBと呼ぶ)という表現に注目します。このAは目的語の働きをする名詞です。受け身「be動詞+過去分詞」にする上で、重要なルールは能動態(もとの英文の形)の目的語を主語にするということです。つまり、目的語meを主語Iに変え、callをam calledにすれば完成です。
ちなみに、目的語を後ろに置く動詞を他動詞と呼びます。能動態から受け身への言い換えは他動詞を用いた英文にしかできませんので覚えておきましょう。一般的な辞書には他動詞であるかどうかの情報が載っていますので、受け身にする場合の参考にしてください。
Q.2 (2)正解: I’m[I am] called Ann by some friends.(何人かの友人に、私はアンと呼ばれています)
発展クイズ
文意を推測し、( )内のうち適切なものを1つ選び、英文を完成させましょう。 Meetings are ( held / taken place ) every other Monday. |
be動詞を直前に置き、カッコ内の動詞の形から受け身の表現と判断します。
結論から、holdは「…を開催する」という意味の他動詞で、これを用いた受け身になっています。
正解:Meetings are held every other Monday.(会議は隔週月曜日に開かれます)
*every other 〜 「1つおきの〜」、every other Mondayで「隔週月曜日に」という意味。
単純な文法ルールで考えます。
受け身は他動詞の目的語を主語にしたもの、つまり目的語を必要とする他動詞を用いた英文しか受け身にできません。take placeは「(会議やイベントなどが)行われる、開催される」という意味で、このままの能動態で、意味的には受け身のように扱える自動詞の表現です。take placeを用いた受け身は文法的にNG。
ちなみに、take placeを用いるのであれば能動態で表現する必要があります。
Meetings take place every other Monday.
自動詞か他動詞か、動詞の語法も日頃意識しておきたいところですね。
Thanks for reading!