Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

中学英文法の復習 #23 分詞の表現

Hi、皆さん、エビンです。

 

今日の神戸は小雨、寒いです。

朝っぱらから小学生の次男は「GENKI祭」というローカルイベントに出かけていきました。元気です。

 

では、入門レベルの中学英文法の復習をしましょう。今回は分詞の表現です。

 

 

現在分詞と過去分詞

名詞を描写する言葉に形容詞がありましたが、今回は形容詞の仲間である分詞を説明します。形容詞だけでは表現できない場面の描写を伝えることができる便利な形ですので早速チェックしましょう。

 

例題Q.1

文法的に適切なものを選び、英文を完成させましょう。

(1)  There was no food ( leaving / left ) in the fridge.

(2)  The ( students eating / eating students ) at the table are brothers.

 

現在分詞と過去分詞の役割

(1) 現在・過去進行形で学習した「動詞-ing形」現在分詞、受け身や現在完了形で学習した「動詞-ed*過去分詞と呼び、品詞としては「形容詞」と同じ働きをします。つまり、名詞を修飾(説明)するのが分詞です。また、現在分詞と過去分詞の使い分けですが、下表のポイントで整理しましょう。

*多くは過去形と同じ形ですが、不規則に変化するものがありますので注意してください。

 

現在分詞

「…している」(一時的動作)、「…する」(日常習慣)

過去分詞

「…される、された」(受け身)

 

現在分詞: Who’s the man sitting next to her?(彼女の隣に座っている男性は誰ですか?)

過去分詞: Be careful of the broken tiles.(割れたタイルに注意してください)

 

現在分詞を用いたthe man sitting(座っている男性)はthe man is sitting(男性は座っている)という現在進行形のニュアンス、一方、過去分詞を用いたthe broken tiles(割れたタイル)はthe tiles are broken(タイルは割れている)という受け身*のニュアンスになっています。

※break(…を割る)→broken(割られた[割れた])

 

では問題のleaveに注目すると、他動詞leaveには「(物)を残しておく」という意味があります。そこで、この分詞(leavingまたはleft)が修飾する名詞foodとの意味的な関係を考えると「食べ物は残される」と「受け身的な解釈」が自然ですので、正解は過去分詞left(残された)でした。

 

Q.1 (1)正解:There was no food left in the fridge.(冷蔵庫には何も食べ物が残っていなかった)

 

現在分詞と過去分詞の位置

(2) 分詞は動詞が形容詞化したものですから、普通の形容詞と同じように名詞の直前が基本です。「分詞+名詞」。ただし、「分詞+αの語(句)」のフレーズで名詞を修飾する場合は「名詞+分詞のフレーズ」の語順(後置修飾)に変わります。実際にはこの語順で用いられることが多いため慣れておきましょう。

 

分詞は名詞の前後に置いて、その名詞の様子や状況を説明する形容詞の働き!

 

Q.1 (2)正解:The students eating at the table are brothers.(そのテーブルで食事をしている学生は兄弟です)

 

例題Q.2

ほぼ同じ内容になるようにカッコに適切な語を入れましょう。

(A) This essay is very good.  It was written by an English author.

(B) This essay, (     ) (     ) an English author, is very good.

 

情報を分詞でひとまとめ

Q.1の解説でも説明したとおり、分詞は形容詞と同じ働きをする名詞に対する説明表現です。(A)に注目すると、2文目がちょうど1文目の名詞essayの説明文になっています。そこで、2文目の「主語+be動詞」を削除し、過去分詞から始まる形容詞フレーズwritten by an English authorだけで、1文目の名詞essayの後ろに置けば、(B)のように2文を1文にまとめた表現が成り立ちます。

 

分詞は難しい表現に見えますが、冷静に考えると名詞に対して、情報を追加する働きにすぎません。また、普通の形容詞よりも、動詞が形容詞化した分詞はより詳しい状況描写が可能です。(B)のような分詞を用いた英文に触れる機会があれば、常に(A)のような2文が基本にあることを意識してください。

 

Q.2 正解:(B) This essay, written by an English author, is very good.(このエッセイ、あるイギリスの作家に酔って書かれたものですが、とてもいいです)

(A) This essay is very good.  It was written by an English author.(このエッセイはとてもいいです。あるイギリスの作家によって書かれたものなんです)

 

 分詞を用いた表現の整理

分詞の形そのものは他の表現でも用いられるため、今回の分詞と混同しないように、既習事項も例文で整理しておきましょう。

 

進行形: A lot of people were waiting in line.(たくさんの人が並んで待っていました)

完了形: I’ve been in New York for a month.(私は1ヶ月ずっとニューヨークにいます)

受け身: My grandfather was bitten by a snake.(私の祖母がヘビに咬まれました)

 

いかがでしょうか。進行形、完了形、受け身の表現では、すべて分詞(現在分詞・過去分詞)の前にbe動詞またはhave/hasが必要です。ここをしっかり意識して悩まないようにしましょう。また、現在分詞と動名詞はまったく同じ-ing形であるため、働きに注目して使い分けに慣れておきましょう。

 

例文1: 動名詞Singing is good for you.([歌うこと]はあなたに合ってるよ)

例文2: He’s 名詞the boy 現在分詞singing this song.(彼がこの歌を歌っている男の子です) 

 

例文1のsingingは主語の位置にあり、「主語=名詞」ですから動名詞です。つまり、「動名詞=名詞」ですね。一方、例文2のsingingは「歌っている男の子」という意味で名詞the boyを修飾しています。名詞を修飾するのは通例、形容詞ですから、このsingingは現在分詞です。分詞は動名詞のような名詞の働きはなく主語になれません。両者は働きがまったく異なることを押さえておきましょう。

 

分詞の実際的な活用方法は拙著「コア英文法」で懇切丁寧に解説していますので、ご興味があればお読みください。

 

発展クイズ

カッコ内の動詞を自然な文意になるように適切な形に直し、英文を完成させましょう。

There were a lot of ( fall ) leaves like a carpet on the ground.

 

動詞fall(落ちる)と名詞leaves(葉っぱ)があることから、動詞を適切な分詞(=形容詞化)に直して、名詞につなげる(修飾する)というのが今回のポイントです。

 

fall(落ちる)は自動詞ですが、現在分詞と過去分詞では解釈が異なります。

 

現在分詞(Ving) → 「…している」「…する」

過去分詞(Vpp) → 「…してしまった」

 

過去分詞には受け身のニュアンスがありますが、自動詞の過去分詞には「完了」ニュアンスがあります。受け身のニュアンスは他動詞の場合です。

*受け身にできるのは他動詞のみですから、自動詞では他のニュアンスになるのは自然な流れです。

 

上記を踏まえて、現在分詞fallingか過去分詞fallenが今回の英文でどちらが自然かを判断します。like a carpet(カーペットのように)という表現からすでに「落ち葉」となっているという状況が浮かびます。つまり、完了ニュアンスのある過去分詞を用いたfallen leaves(落ち葉)が正解。

like a carpetは動詞wereを修飾します。分詞が2語以上のカタマリになれば、名詞を後置修飾しますが、ここでは分詞fallenとlike a carpetを1セットとは考えません。

 

ちなみに現在分詞を用いたfalling leavesは「ひらひら舞っている葉っぱ」あるいは「落ちかけている葉っぱ」という意味になり、ここでは不自然です。

 

正解:There were a lot of fallen leaves like a carpet on the ground.(地面にはカーペットのようにたくさんの落ち葉がありました)

 

Thanks for reading!

 

自宅での仕事はいつもこれでコーヒーブレイクしています。

NZで働く元生徒さんからの頂き物。フレーズが気に入っています。