Hi、皆さん、エビンです。
朝晩は本当に冷えてきましたね。
データーの断捨離をしていたら、昔、書いたコラムの原稿が出てきました。
せっかくなのでUPします。「◯◯の誤用例と学習法」シリーズです。
今回は動詞について、あれこれ確認します。
動詞の語法クイズ
Q. 適切なものを1つずつ選び、自然な英文を完成させましょう。
1. 「帰国するんだよ。家族に会うのが待ち遠しいよ」
I’m going home. I can’t wait to [ look / see / meet ] my family.
2. 「医者はその患者にその計画を説明しました」
The doctor explained [ the patient the plan / the plan to the patient ].
3. 「彼女は数年間、海外で勤務しました」
She worked [ in / for / × ] abroad for a few years.
4. 「あなたのEメールアドレスを教えてください」
Please [ talk / teach / tell ] me your e-mail address.
5. 「僕は名前を覚えるのが非常に苦手なんですよ」
I have [ so / great / very ] difficulty remembering names.
6. 「その問題点を解決するには時間がかかるだろう」
It will take some time to [ iron / deal / answer ] out the issue.
いかがでしたでしょうか?
初級学習者の正答率が平均25%以下のレベルでした。(各問題の正答率を参考にしてください)
※正答率=Mr. Evineの「やりなおし英語JUKU」生徒(30代~50代の50名に実施)調べ
※「初級」…中学英語の一般的な基礎内容は理解しているレベル
Answer Key
それでは早速、文法ポイントをチェックします。
「正解」しても、解説ポイントがちゃんとクリアしているのか、しっかり確認してください。
- see 【動詞の語法(36%)】
「(人)に会う」はmeetもseeも、両方OKですが、場面に応じた使い分けが重要です。まずmeetのコアニュアンスは「初めての対面」ですが、seeは「(すでに知っている人との)再会」です。今回の場面は「自分の家族に会う」で、自分の家族は当然、知っている人にまた会うという状況ですからseeが自然です。ちなみにlookは「会う」ではなく「見る」という意味。また「見る対象」を示すのに、lookは自動詞で前置詞とセットにしなければなりません。look at ...(…を見る)
- the plan to the patient 【動詞の語法(24%)】
explain(〜を説明する)は他動詞で後ろに直接目的語(O)が続きます。他動詞であれば前置詞は不要ですが、sayと同様、「人」の情報を続ける場合は前置詞toが常に必要になるというのがexplainの語法です。explain O to+人「Oを(人)に説明する」のカタチが正解でした。
※「to+人」の部分はexplainの直後に置いてもOKです。explain to+人+O「(人)に〜を説明する」
- × 【副詞(16%)】
前置詞は自由に使えるわけではなく「前置詞+名詞」が基本形。この名詞は前置詞の内容を示す「前置詞の目的語」と文法的には解釈されます。
この点を踏まえて、今回の問題ですが、abroadの品詞がポイント。abroadは「海外に(で、へ)」という意味の副詞で、副詞の前に前置詞は置けません。置けない理由ですが、実は副詞はもともと「前置詞+名詞」が1つの副詞に変化したものだからです。例えば今回のabroadであればabroad = in a foreign countryと言い換えることができます。つまりin abroadとしてしまうとin in a foreign countryと前置詞の意味合いが重なり不自然になるということです。
※a few years(2、3年)
- tell 【他動詞(40%)】
「発信」系の動詞の使い分けですね。私の教室で、正解した人でも明確にポイントが理解できていない方が多かったですね。
まずtalkは自動詞で、自動詞の不便なところは情報追加(今回であれば「誰に」「何の」話をするのかの情報)の時に前置詞が必要になることです。「(人)と話す、(人)に話しかける」は「talk to+人」になります。一方、tellは他動詞。他動詞であれば直接、動詞の内容を示す目的語(O)と呼ばれる情報(=名詞)を後ろに置くことができるため前置詞は不要です。tell O1 O2「O1(人)にO2(事)を話す、教える」
またtellとteachの違いですが、日本語としては「教える」と両者は解釈できますが、同じ教えるでも今回の状況のように単なる情報伝達にはtellを使います。一方、teachは「専門的内容」を教授する場面で使うため今回は大げさで不自然です。
- great 【形容詞(10%)】
品詞がポイント。単純に日本語だけで考えるといずれも「とても、非常に」で解釈ができてしまいますよね。
選択肢は他の単語を強調する働きをしますが、今回強調したいのはdifficulty(困難)という名詞です。名詞につながる修飾語は原則として「形容詞」です。そこで選択肢の品詞を比べるとgreatのみが形容詞でso、veryはどちらも副詞です。「形容詞+名詞」の関係が正解でした。
- have difficulty (in) Ving(…するのが困難だ)
- iron 【句動詞(6%)】
動詞を中心にした2語以上のフレーズ(句動詞)の問題でした。実はiron outには「(問題、障害など)を解決する」という動詞フレーズの使い方があります。
一見、ironはあの「アイロン」や「鉄」の意味の名詞として考えてしまいますが、状況から直前のtoは不定詞で、ここは動詞の原形が続くと判断しなければなりません。
※ゴタゴタした問題点(服のシワ)をまっすぐキレイに伸ばす(=解決する)イメージで覚えましょう。
deal outはdeal out the cards(それらのカードを配る)のように「…を配る」という意味になり、文意に合わず誤りです。answer outはそもそも、このようなフレーズはありません。
英語は多義語(おまけに語彙も豊富)で、今回のように「iron=名詞」と固定した学習は表現力が向上しません。1つの単語に対して、複数の品詞を持つことは英語にはよくあることですから、必ず柔軟に対応できるよう辞書などで例文をしっかりチェックするようにしたいですね。
学習ポイント
意外と中学レベルの簡単な動詞であっても、その後に続く形(品詞)のイメージがない方が多いですね。
例えば、eatやstudyと聞けば、ふわっとeat dinner、study Englishのように動詞とセットになってくるイメージがありますよね、これができていればその動詞はactiveな状態でいつでも発信できるということです。
「主語」→「動詞」→「情報」のつながりイメージを意識して、動詞を覚えることができれば日常会話に紐付いた学習になります。
さらに、品詞同士のつながりですよね。問題5のように「形容詞+名詞」のセットは基本ですし、最低限の語順としてSV/SVC/SVOくらいは覚えておいて損はしません。こうした型に当てはめた考え方に偏りすぎると勉強っぽくなりストレスで先に進めなくなることがありますが、適度に日々の学習に取り込むことで、動詞や品詞の使い方も整理できますし、問題6のように、1つの単語で複数の表現を作ることができるようになります。
文法的なことを意識するのは日常英会話から遠ざかるような気もしますが、適切なコミュニケーションの取り方のテンプレートに利用できるためこの連載で扱う基本ルールくらいは意識的に学習しておいても損はありません。
Thanks for reading!