Hi、皆さん、エビンです。
入門レベルの中学英文法を復習するシリーズ 14回目は前置詞を用いた表現です。
過去の復習はコチラをお読みください。
前置詞
前置詞は機能的な言葉で、名詞と組み合わせることで新しい表現が生まれます。
名詞Mondayは「月曜日」という意味にしかなりませんが、on Monday(月曜日に)、by Monday(月曜日までに)など「前置詞+名詞」の形を作ることで、状況に合わせて適切な情報を発信することができます。では、基本ポイントを例題で復習します。
例題Q.1
日本語を参考に、適切な前置詞を1つ選び、英文を完成させましょう。 (1) 「後で、ホテルのロビーで会いましょう」 I’ll meet you ( at / in / on ) the hotel lobby later. (2) 「壁に一枚の古い絵がかかっていました」 There was an old picture ( at / in / on ) the wall. |
前置詞at/in/onの基本ニュアンス
前置詞は日本語だけでとらえると非常に使い分けが困難な言葉で、日本語と合わせて基本ニュアンスも押さえておく必要があります。それではまずは代表的な前置詞at/in/onを整理しましょう。
前置詞 |
at |
in |
on |
基本ニュアンス |
点 |
内部 |
接触 |
前置詞at/in/on+場所を示す名詞
(1)前置詞は「前置詞+名詞」のカタマリで様々な表現になります。Q.1では上表の基本ニュアンスをもとに、前置詞at/in/onの「場所」用法を押さえます。
「ホテルのロビーで」という状況を想像するとロビーは「ホテル内部」と考えるのが自然ですね。そこで「内部」ニュアンスのある前置詞in(〜の中に)を用いると判断できます。
Q.1 (1)正解:I’ll meet you in the hotel lobby later.
仮にthe hotelだけであればat the hotelも文法的には問題ありません。ただし、この場合は、ホテル内であるかは曖昧で「ホテル周辺」を含んで「ホテルで」という意味になります。atの「点」ニュアンスは地図上の「地点」をイメージし、「内部」感覚はありません。
I lost my wallet at the airport.(空港で私は自分の財布を失くしました)
(2) 日本語から状況を考えます。「壁にかかっている」というのは「絵が壁に接触」していますから基本ニュアンスのとおり前置詞はonになります。on=「…の上に」と学ぶことは多いのですが、それで覚えてしまうと問題のような状況ではonの発想ができません。onは触れていれば側面でも裏面でも使えるため必ずしも「上に」という状況であるとは限りませんので注意しましょう。
基本ニュアンスを軸に枝分かれしていく用法を押さえることが重要です。
Q.1 (2)正解:There was an old picture on the wall.
例題Q.2
次の日本語の意味になるように( )に適語を入れましょう。 (1) 「私たちは今朝、9時に家を出ました」 We left home ( ) 9 o’clock this morning. (2) 「お父さんが10月に43歳になります」 My dad will be 43 years old ( ) October. |
前置詞at/in/on+「時を示す名詞」
(1) Q.2は「時」用法の前置詞at/in/onの確認です。表現内容が異なるだけで、基本ニュアンスは同じであることを押さえましょう。「9時」は「時の点」を示すため前置詞はatになります。主に「時刻」やat night(夜に)などの表現で使われます。
Q.2 (1)正解:We left home at 9 o’clock this morning.
(2)「10月」は30日間という期間で時間幅があります。そこで「時間の空間」という感覚が生まれるため前置詞はinを用いるのが自然です。主に「月」「年」「季節」など「時の幅」があるものに使います。
Q.2 (2)正解:My dad will be 43 years old in October.
前置詞onも例文で確認しておきましょう。
I visited her on Christmas Eve.(僕はクリスマスイブに彼女を訪ねました)
onの「接触」ニュアンスは「時に触れている」感覚でも用いられ主に「日付」「曜日」など「特定の時(日)」を示します。クリスマスイブは「12月24日」という特定日という意味でonになります。
「前置詞+名詞」=「形容詞/副詞」
実は前置詞は「前置詞+名詞」のカタマリで一つの形容詞または副詞の働きをします。両者には他の単語につながる「修飾語」の働きがありましたね。
*厳密には「前置詞+名詞」=「前置詞句」(=形容詞句/副詞句)
I met her 副詞in Australia.(私はオーストラリアで彼女と出会いました)
⇒ 動詞metを修飾する副詞(どこで出会ったのかを説明)
People 形容詞in Australia are friendly.(オーストラリアの人々はフレンドリーです)
⇒ 名詞peopleを修飾する形容詞(どこにいる人々なのかを説明)
*形容詞は名詞を、副詞は名詞以外を修飾し、他の単語をより詳しく説明します。
発展クイズ
日本語を参考に、もっとも自然な前置詞を1つ選びましょう。 「秋から学校が始まる前に、やることがいっぱいだよ」 There are lots of things to do before school starts ( in / at / from ) the fall. |
「秋から」という日本語を意識しすぎると、ひっかかってしまうのが前置詞from ~(〜から)です。
ここが英語の難しいところで、開始を意味する動詞start/beginと一緒に「(いついつ)から始める」という表現ではfromを使うことは原則としてありません。動詞との相性にも影響される典型的なパターンですから注意しましょう。
ここは名詞(the) fall「秋」という「時」のイメージに合わせて考えます。「秋」はだいだい9月〜11月を指し、3ヶ月程度の期間がありますから「時点」ニュアンスのatとは合いませんね。一方、前置詞inはatよりも比較的「長い時間感覚」で用いられ、「時の幅」がありますからin the fallとするのが自然です。
正解:There are lots of things to do before school starts in the fall.
※theは省略可
前置詞については、過去記事でも詳しく触れていますので、併せてお読みください。
Thanks for reading!