Hi、皆さん、エビンです。
それでは今回も入門レベルの中学英文法を復習しましょう。前回に続き前置詞を用いた表現を確認します。
過去記事をご覧になってない方はぜひチェックしてください。
前置詞
後ろの名詞との組み合わせ「前置詞+名詞」にも注目しながら、今回は前置詞to/ for/ fromの違いについて学びましょう。
例題Q.1
日本語を参考に、適切な前置詞を1つ選び、英文を完成させましょう。Xは何も入らないことを意味します。 (1) 「彼らは今朝、パリへ飛び立ちました」 They flied ( to / for / from ) Paris this morning. (2) 「私たちは、明日京都に向けて出発する予定です」 We’re going to leave ( for / to / × ) Kyoto tomorrow. |
前置詞to/forの基本ニュアンス
今回も前置詞to/for/fromの基本ニュアンスから押さえましょう。
前置詞 |
to |
for |
from |
基本ニュアンス |
到達 |
方向 |
起点 |
前置詞to/for/from+場所を示す名詞
(1) flyは「飛行機で行く」という意味で使われていますが、飛行機が一直線に目的の場所へ移動するイメージから「到達」ニュアンスのある前置詞to(〜へ、〜に)を用いるのが自然です。
Q.1 (1)正解:They flied to Paris this morning.
前置詞from(〜から)の「起点」ニュアンスから出発地点を表現することができますので、次のように前置詞toと組み合わせる事ができます。from A to B(AからBへ)の形で押さえましょう。
You can fly from here to the village.(ここからその村へ飛行機で行けますよ)
(2) leaveは自動詞と他動詞の両方の働きがあり、少し意味が変化します。
自動詞leave+前置詞for+目的地「〜に向けて出発する」
他動詞leave+目的語O[=出発地]「〜を出発する」
文意から、自動詞として前置詞forをセットにしたものが正解でした。このforは「方向」のニュアンスで、「どこの方向に向けて出発するのか」をleaveとセットにして表現できます。
Q.1 (2)正解:We’re going to leave for Kyoto tomorrow.
toは「到達」、forは「方向」ですが、これは動詞との相性によっても使い分けが決まります。例えばgo(行く)やget(着く)はtoとセットですが、今回のleaveはforと一緒によく用いられます。どんな前置詞と一緒に用いるのかは辞書などでこまめに確認するようにしてください。
- I got to the station early.(私はその駅に早く到着しました)
例題Q.2
次の日本語の意味になるように( )に適語を入れましょう。 (1) 「私はここに2年間住んでいます」 I live here ( ) two years. (2) 「その銀行は午前10時から午後3時まで開いています」 The bank is open ( ) 10 a.m. ( ) 3 p.m. |
前置詞for/to/from+「時を示す名詞」
(1) Q.2は「時」用法の確認です。表現内容が異なるだけで、基本ニュアンスは同じであることを押さえましょう。「2年間」という「期間の長さ」は前置詞for(〜間)で表現できます。「方向」の前置詞forにこの用法がある理由ですが、物事は時の始点から終点に向かって(方向)進み、結果的に振り返れば「ある一定の期間の長さ」があるという感覚からforが使われています。
Q.2 (1)正解:I live here for two years.
(2) from A to B(AからBまで)とセットで押さえましょう。「起点」ニュアンスの前置詞from(〜から)は「時の始点」で用いられ、「時の終点」は「到達」ニュアンスの前置詞to(〜へ)で表現できます。
Q.2 (2)正解:The bank is open from 10 a.m. to 3 p.m.
*このopenは「営業中」「開いている」という意味の様子を示す形容詞です。
前置詞for vs. during
前置詞forと同じく「〜間」を意味する前置詞duringとの違いがよくわからないと悩む学習者がいますので、ここで最後にその違いを押さえておきましょう。次の英文を比較してください。
「私はその冬の間、ここに滞在しました」
(○)I stayed here during the winter.
(×)I stayed here for the winter.
duringは「特定の期間」を示し、後ろには「期間の長さ」だけではなく、今回のように「時」を表す名詞を用いることができます。一方、forは「〜間」という意味では、物事の「継続期間の長さ」を示すため後ろにはtwo days、five yearsなどの「数詞」を置きます。またduringの後に続く時を示す名詞には「特定」ニュアンスのある定冠詞theがよく用いられます。(必ずというわけではありませんので注意しましょう)
We visited the city for two days during the Easter holidays.(私たちはイースター休暇中、2日間その街を訪れました)
日本語が似た者同士の前置詞の区別は辞書などの例文で確認しましょう!
発展クイズ
日本語を参考に、もっとも自然な前置詞を1つ選びましょう。 「僕があなたにちょっと英語を教えましょう」 I’ll teach some English ( to / for ) you. |
teach(教える)は「teach+ O1(人)+O2(物事)」の形で用いることができますが、このSVOO文型を言い換えたものが今回の形「teach+O(物事)+前置詞to+人」(SVO文型+前置詞句)です。
SVOO文型にできる他動詞の多くが前置詞to/forでこのような言い換えができますが、他動詞によって前置詞を使い分ける必要がありますので注意してください。
今回のようにtoと一緒に用いる他動詞の特徴は「相手がいなければ成立しない動作」を示します。これは前置詞toの「到達」ニュアンスのためです。「到達」には「到達先」(=相手)が必要で、今回のteachであれば「教える相手」がいなければ教える事はできません。そのため「相手のため」という気持ちはあっても前置詞はtoになります。
toと一緒に用いる他動詞の特徴だけを押さえておき、その他の他動詞は前置詞forを用いると大まかにまずは覚えてください。(cost、takeなど他動詞によっては語順の言い換えNGであったり、言い替えてもaskのようにofを用いるものがあります)
正解:I’ll teach some English to you.
SVOO文型からSVO+to/for ...への言い換えによるニュアンスの違いも過去記事で詳しく解説していますのでよろしければお読みください。
Thanks for reading!