Hi、皆さん、エビンです。
それでは今日も中学英文法を復習していきましょう。
#1 ~ #16の復習はコチラから。
不定詞と動名詞の違い
不定詞と動名詞は共に「名詞」(…すること)の働きをする共通点があります。ただし、両者には異なるニュアンスがあり、状況によっては注意しなければなりません。使い分けポイントをしっかり押さえて自然な形で使えるようにしましょう。
例題Q.1
日本語を参考に、カッコ内の語(句)を文法的に正しく並べ替えましょう。 (1) 「前もって計画することはとても大切です」 ( is / planning ahead / important / very ). *ahead(前もって) (2) 「アリーは料理が得意です」 ( good / Allie / cooking / is / at ). |
動名詞Ving(…すること) = 名詞の働き
(1) まず動名詞の形を覚えましょう。進行形と同じ「動詞のing形」です。この動名詞は「…すること」と訳し、単純に動詞を名詞にしたカタチと押さえてください。
名詞は主語に用いることができますので、この問題では動詞plan(計画を立てる)を名詞化した動名詞planning(計画を立てること)を主語の位置に置き、意味のまとまりを考えてplanning aheadから始めれば正解です。
Q.1 (1)正解:Planning ahead is very important.
これを前回復習した同じ名詞的用法の働きを持つ不定詞to planで言い換えることはできますが、不定詞(to+動詞の原形)を主語として文頭に置くのはあまり一般的ではありません。
(△)To plan ahead is very important.
文法的には正しい語順ですが、形式主語itを用いた定型フレーズ「it is 〜 to+動詞の原形」(…することは〜だ)を用いるのが自然です。重要な表現ですので一緒に覚えておきましょう。
- It is very important to plan ahead.
前置詞+動名詞Ving
(2) 以前に前置詞のテーマで扱いましたが、前置詞の後ろには、前置詞の目的語として名詞を置くのが基本ルールです。
「前置詞+名詞(前置詞の目的語)」
動名詞-ingも前置詞の目的語に用いることができる、というのがこの問題のポイントです。動名詞cooking(料理すること)を前置詞atの後ろに置けば正解です。
Q.1 (2)正解:Allie is good at cooking.
*be good at ...(…が得意だ)
ただし、同じ名詞的用法を持つ不定詞を前置詞の後ろに置くことはできませんので注意してください。
(×)Allie is good at to cook.
また進行形「be動詞+-ing」と混同しないように注意。動名詞は -ingのカタチだけで「…すること」と訳す!
例題Q.2
日本語を参考に、適切な形を選びましょう。 (1) 「私はまた彼に会いたいです」 I want ( to see / seeing ) him again. (2) 「僕は彼女に以前、会った覚えがあります」 I remember ( seeing / to see ) her before. |
動詞+動名詞、動詞+不定詞
(1) 「他動詞+動名詞doing」や「他動詞+不定詞to do」の表現では、組み合わせパターンがある程度決まっており注意が必要です。
問題(1)のwant(欲する)は必ずwant to+動詞の原形(…したい)の形で動名詞を後ろに置くことはありません。基本的なパターンを挙げておきますので、一緒に押さえておきましょう。
■不定詞とセット:want/would like(欲する)、decide(決める)、hope(願う)など
■動名詞とセット:enjoy(楽しむ)、finish(終える)、stop(止める)など
■どちらでもOK: like(好む)、love(とても好む)、start/begin(始める)、continue(続ける)など
Q.2 (1)正解: I want to see him again.
不定詞と動名詞の異なるニュアンス
(2) 問題(1)の解説内で取り上げた「動詞+どちらでもOK」パターンでは意味に大きな差はありません。しかし、この問題の動詞remember(覚えている)には注意が必要です。
remember 不定詞to+動詞の原形「…することを覚えている」
remember 動名詞-ing「…したことを覚えている」
意味が変わってしまいましたね。
実は、不定詞と動名詞には下表のように異なるニュアンスがあるためrememberのように、動詞によっては文意に合わせて使い分ける必要が出てきます。
不定詞と動名詞の違い
不定詞(to+動詞の原形) |
仮定的ニュアンス |
未来、未経験、未完了 |
動名詞( - ing) |
現実的ニュアンス |
過去、現在、経験済、完了済 |
*問題(1)の解説内の組み合わせパターンもニュアンスの違いから来る相性である程度決まります
「会った覚えがある」、つまり既に起こった過去の話ですから、現実のニュアンスを持つ動名詞seeingが正解です。一方、不定詞はまだ起こっていない未来のニュアンスがあるため文意に合わず不自然です。日本語訳を丸暗記するのではなく、ニュアンスの違いを考えれば楽に覚えやすくなります。
Q.2 (2)正解: I remember seeing her before.
では最後に、rememberと同様、後ろのカタチで意味が変化するforget(忘れる)も見ておきましょう。
Don’t forget 不定詞to send it to her.(それを彼女に送るのを忘れないでね)
…「…するのを忘れる」(未来ニュアンス⇒未完了)
I’ll never forget 動名詞meeting you.(あなたと出会ったことを決して忘れないでしょう)
…「…したことを忘れる」(現実ニュアンス⇒過去の話)
発展クイズ
日本語を参考に、次の英文が不自然であれば訂正しましょう。 「彼の夢は医者になることです」 His dream is being a doctor. |
まさに不定詞、動名詞、両者のニュアンスの違いが問われる例文です。
改めて両者のニュアンスの違いに注意しましょう。
- 不定詞(to+動詞の原形)…「未来」「仮定」「未完了」ニュアンス
- 動名詞( - ing)…「現実」「過去」「完了」ニュアンス
「夢」は、(発言時点では)まだ現実にはなっていない前提で話すと考えるのが自然です。
文法的には「…になること」という意味でbeingやbecomingでも日本語の表面上はまったく問題なさそうですが、ニュアンスが異なるためhis dream(彼の夢)を語るのに動名詞で表現するのは不自然に聞こえます。より自然な英文を考えれば、不定詞to beを用いるのが適切です。
正解:(×)being → (◯)to be
ちなみに、不定詞との組み合わせで定番のwant to ...(…したい)は「まだ何かが物足りない」からwant(欲する)するわけですから未来ニュアンスの高い不定詞を目的語に取ります。実現された感じがある動名詞は相応しくないわけです。
Thanks for reading!