Hi、みなさん、エビンです。
さあ、今回も中学英文法の復習をやっていきましょう。助動詞はこれで最後です。
助動詞may
「いらっしゃいませ」のMay I help you?でお馴染みのmayって何でしょうか?実は堅い印象を持つ助動詞mayの働きや助動詞共通の「推量・推測」用法などを学習します。今号でひとまず助動詞の基本単元は終了です。それではラスト問題にチャレンジしてください。
例題Q.1
次の日本語の意味になるように適切なものを1つ選びましょう。 (1) 「入ってもよろしいでしょうか?」 ( Should / Can / May ) I come in? (2) 「こんなの本当であるはずがないよ」 This ( mustn’t / can’t / may not ) be true. |
助動詞mayの用法
(1) mayは「…してもよい」という意味で相手に「許可」を求める用法があります。この用法は以前にCan I …?「…してもいいですか?」の形でご紹介しましたが、実はこれをmayで言い換えることができます。ただし、May I …? は「…してもよろしいでしょうか?」とかなり堅い印象の表現で、口語ではcanを用いるのが一般的です。状況に応じて使い分けるといいですね。
- May I wait here?(こちらで待たせていただいてよろしいですか?)- Yes, you may.(うむ、よろしい)
- ⇔ Can I wait here?(ここで待っていてもいいですか?)- Yes, you can.(はい、かまいませんよ)
*返答文でmayを用いると「よろしい」という目上の人が話す言葉の雰囲気がありますので、実際はmayで尋ねられても2例目の返答文のようにcanで十分です。
今回の問題文は改まった雰囲気がありますのでMayを正解としますが、文法的にはCanでもまったく問題ありませんし、むしろ日常生活では頻繁に用いる表現ですので押さえておきましょう。残ったShould I …? は「…するべきですか?」という意味でこれはもう完全に文意に合わず誤りでした。
Q.1 (1)正解:May I come in?
助動詞の推量・推測用法
(2) 助動詞にはそれぞれ特徴ある独自の働きを持ちますが、実は「推量・推測」用法という点で共通の働きがあります。
must |
…にちがいない |
強い推測 |
may |
…かもしれない |
推量 |
can’t |
…であるはずがない |
否定の強い推量 |
*他にもありますが、中学英文法入門レベルにおいては上記の内容をまずは整理しておきましょう。
問題文は「…であるはずがない」という話し手の強い否定的な推量であることが判断できますのでcan’tが正解です。mustn’t(=must not)は「…してはいけない」という意味の禁止表現で文意に合いません。またmay notは「…ではないかもしれない」と弱い推量を表し、問題の日本語には合わず不適切でした。
Q.1 (2)正解:This can’t be true.
例題Q.2
次の日本語を参考に、( )内の単語を文法的に正しく並び替えましょう。 (1) 「手伝いましょうか?―はい、お願いします」 ( I / you / help / shall )? – Yes, please. (2) 「紅茶はいかがですか?」 ( tea / like / you / some / would )? |
Shall I ~ ?/ Shall we ~ ?
shall自体はあまり日常の中でよく使用される助動詞ではありませんが、以下の表現においては比較的日常会話の中でも耳にすることがあります。
Shall I+動詞の原形 ~? |
…しましょうか? |
申し出・提案 |
Shall we+動詞の原形 ~? |
(一緒に)…しましょうか? |
自分から何かを提案したり(例1)、逆に提案を求める感じで相手の意向・気持ちを確認する場合(例2)に用いられます。「一緒に」と相手も含めての行動内容であればweになりますし、今回の問題のように、話し手だけで動くのであればIになります。
- 例1:Shall we dance?(踊りましょうか?)
- 例2:What shall we do next?(次は何をしましょうか?)
*Can/May I ~?のような許可用法はありませんので注意してください。
Q.2 (1)正解:Shall I help you?
Would you like ~ ?
willの過去形wouldを用いた会話表現です。Would you like ~ ? で「~はいかがですか?」という意味になり、相手に何かをお勧めしたい場合に用います。
実は助動詞の過去形には「相手との距離感」を出す効果があります。そのため「~は好きですか?」というストレートな言い方を避け、「~はいかがですか?」と「丁寧」な印象を作り出すことができます。wouldを挟むだけで生じるニュアンスの変化をぜひ覚えてください。
Q.2 (2)正解:Would you like some tea?
ちなみに問題文ではanyではなくsomeが用いられていますが、今回のような相手に対して何かを勧める表現の場合、Yesの返答内容が自然に期待されます。つまり肯定の感覚が働くわけですから、あえて肯定文で登場するsomeが用いられます。
助動詞の整理に十分な時間をかけてください!ネイティブらしい表現方法に近づく第一歩です。
発展クイズ
日本語の意味になるように、次の英文の文法的な誤りを訂正しましょう。 「う~ん、あの夜彼女はかなり酔っていたにちがいないね」Umm, she must be very drunk that night. |
助動詞mustの推測用法「~にちがいない」の応用です。
今回は副詞句that nightを用いた時制に注目してください。that nightは「あの夜」はまさに過去を示したものです。
mustが示す時制は「現在」で今回のような「過去の推測」はこのままでは表現することができません。そこで登場するのが「助動詞+完了形(have+過去分詞)」の形です。これは「過去の推量・推測」専用の表現になります。
比較:
- must be ~「~であるにちがいない」(現在)
- must have been ~「~であったにちがいない」(過去)
mustには「~しなければならない」という「義務」用法もありましたが、この用法における過去はhad to+動詞の原形「~しなければならなかった」(過去の義務)でしたね。今回の「must have+過去分詞」はあくまでも過去における推測表現一本であると明確に整理しておきましょう。
正解:(誤)must be very drunk (正)must have been very drunk
*形容詞drunk「(お酒に)酔った」
Thanks for reading!