Hi、皆さん、エビンです。
今日は、子供たちは空手の試合で妻と一緒に出かけましたので、1人でのんびり原稿書いてます。それにしても年々遅筆になっている気がします。
最近、教室の問い合わせが英検、TOEIC、TOEFLと語学試験対策が増えています。どの試験も基本は中学英語+αをどれだけ落とし込んでいるかで学習効率はかなり異なります。カウンセリング時点では英検3級レベルの知識がしっかりとした運用力に仕上がっていないケースがほとんどで対策云々の話でないことも多いです。基礎固め、本当に重要です。
ということで、今回も中学英文法の復習をやっていきましょう。第9回目は助動詞です。
助動詞 will vs. can
前回まで学習した「時」を表す時制は主語の状況を伝えるうえで重要な役割を果たしましたが、今回から主語の「気持ち」を動詞に追加する助動詞を中心に学習していきます。(前回復習したwillも助動詞ですね)
例えば動詞speakだけでは「話せる」のか「話さなければならない」のか、主語の真意を相手に伝えることはできないですよね?
それでは早速「気持ち」を発信する助動詞の学習を始めましょう!
例題Q.1
自然な文意になるように適切な形を選びましょう。 (1) The phone is ringing. - Okay, ( I can / I’ll ) get it. (2) Sorry, I ( can’t / won’t ) see you right now. I’m busy. |
意思のwill
(1) 助動詞は「助動詞+動詞の原形」で本来の動詞の意味に様々な「気持ち」を加える働きをします。また1つの助動詞に1つの用法とは限らないのも学習者泣かせなところです。
問題(1)では「電話が鳴ってるよ」という相手のセリフを受けて「(自分が)出るよ」と明確な意思が示されています。実はwillには「…します(…するよ)」という意味でその場の話し手の意思や決断を発信する働きもあるんです。前号で学習した「…するだろう」の未来表現なのか、今回の意思表現なのか、ぜひ文脈を意識した使い分けを心掛けてください。
Q.1 (1)正解:The phone is ringing. - Okay, I’ll get it.(電話が鳴ってるよ―は~い、僕が出るよ!)
能力のcan
(2) canは「…することができる」という意味で能力を示す助動詞で、学習者にとってとても馴染みがある助動詞ですね。文意から「忙しい」という理由で「会えない」と判断するのが自然ですから、canの否定形can’t「できない」が正解。
またcanの否定形はcan’tまたはcannot(こちらのほうが強意的)のどちらかで(×)can notと離すことはできません。※willの否定形はwon’tまたはwill not
ちなみにwon’tにすれば意思の否定、つまり極端な言い方をすれば「会うつもりはない」という意味にも取られかねません。文法的にまずいというわけではなく、ここでは不自然に聞こえるという判断で誤りです。right now(今は)があるため単純な未来「(この先)…するだろう」という文意で解釈するのも少々強引ですね。
Q.1 (2)正解:Sorry, I can’t see you right now. I’m busy.(ごめんね、ちょっと今は会えないんだ。忙しくて)
また少し堅い言い方になりますが、be able to+動詞の原形をcanの言い換えで用いることができます。
- I’m not able to meet you tonight.「今夜、君に会うことはできません」
例題Q.2
日本語の意味になるように適切な形を選びましょう。 (1) 「運転してもいい?-いや、駄目だよ」 ( Can / Will ) I drive? - No, you can’t. (2) 「後で電話してくれませんか?-もちろん、かけます」 ( Do / Will ) you call me later? – Sure, I will. |
許可表現のCan I …?
(1) canやwillを疑問文で用いた場合、文脈によってQ.1で確認した用法とは異なる便利な会話表現にすることができます。結論から、Can I …?で「…してもいいですか(…できますか)」と相手に許可を求める表現になります。一方、Will I …? にはこのような許可用法はありません。
Q.2 (1)正解:Can I drive? – No, you can’t.
依頼表現のCan/ Will you …?
(2) Do you …?は普通の一般動詞の疑問文で「(普段)…しますか」と日常習慣を尋ねる形ですので文意に合わず不適切です。一方、Q.1で勉強したwillの「意思」用法を会話表現に応用すればWill you … ?で「…してくれませんか」と相手に何かをしてくれる意思があるのかを尋ねる疑問文になり、これが正解です。ちなみに、この表現はwillをcanに言い換えて用いることも可能です。
- Can you help me?「手伝ってくれませんか?」
「…してくれませんか」と日本語は同じですが、厳密にはwillは意思(してくれるのか、してくれないのか)、canは能力(できるのか、できないのか)という違いがニュアンスとして含まれます。
Q.2 (2)正解:Will you call me later? – Sure, I will.
それでは、最後にここまでの形を整理しておきましょう。
意思will |
…します |
Will you …? |
…してくれませんか |
能力can |
…することができる |
Can I …? |
…してもいいですか |
Can you …? |
…してくれませんか |
Will/Can you …?ですが「…してくれませんか」と日本語は丁寧な感じですが、英語においてはいわゆる命令文Help me.(手伝って)やCall me later.(後で電話して)のようなストレートな命令・指示の意味に丁寧さを加えたカジュアルな表現と覚えておいてください。特別にへりくだった敬語表現ではないことに注意しましょう。
日本語は同じでも使われる状況の違いや含まれるニュアンス変化に注意しましょう!
発展クイズ
文意に合うようにもっとも適切な形を1つだけ選び、英文を完成させましょう。 I ( was able to / could / would ) attend the workshop, and I met some people there. |
can = be able toと説明しましたが、これが過去形couldやwas/were able toになると話は別です。実は、厳密には(×)could = was/were able toではありません。
能力を示すcanの過去形could(…することができた)は単なる過去における「能力の所有」で「(当時)…しようと思えばできた」というニュアンスです。一方、was/were able toは「(あの時)実際に…することができた」というニュアンスで用いるのが基本です。簡単に言えば、「実際にしたのか」、「していないのか」で両者の使い分けが判断できるわけですね。
前置きが長くなりましたが、ここで上記の説明を踏まえて問題文をチェックしましょう。
文脈に注目し、and I met some people thereという話の流れを押さえると「実際にワークショップに参加できた」と考えるのが自然ですね。実際に参加した話ですからwas able toが正解。
※was/were able toもcouldと同様に「過去の能力所有」の用法がありますが堅い印象になります。
ちなみに選択肢のwouldは未来の表現willの過去形「(当時)…するつもりだった」ですが、couldと同様、文脈から不自然であるため誤りです。
※wouldは現在における仮定的な表現としても用いられますが、いずれにせよ今回は過去の話ですから時制が合いません。
正解:I was able to attend the workshop, and I met some people there.
日本語訳例:
そのワークショップに参加することができたんだ、それで何人かの人とそこで知り合いになったんだよ。
Thanks for reading!