Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

中学英文法の復習 #05 副詞と形容詞

Hi、皆さん、エビンです。

 

中学英文法の復習 第5回です。今回も入門レベルでここだけは押さえておきたいポイントを挙げています。

 

 

1回目の記事はコチラ

evine.hatenablog.com

 

Twitterではクイズを配信中です。毎朝8 a.m.で、解答は6 p.m.につぶやいています。

 

副詞と形容詞

形容詞と副詞の違いは何でしょうか?

違いがわかるような、わからないような、両者の違いを明確に説明できる人は意外に少ないものです。今回は両者の働きの違いをクリアにすると同時に、混同しがちな副詞の位置を覚えましょう。

 

例題Q.1

日本語も参考に、文法的に正しいものを1つ選びましょう。

(1) 「昨夜はよく眠れた?」 Did you sleep ( good / well ) last night?

(2) 「ジムはとても静かに話します」 Jim speaks very ( quiet / quietly ). 

 

形容詞と副詞の共通点

(1) まずクリアにしたいのは形容詞と副詞の区別の仕方です。両者の使い分けが学習者にとって難しく感じるのは「修飾語」という点でその働きが非常に似ているからです。

 

早速ですが形容詞と副詞を簡単に整理してみましょう。

 

 

類似点

修飾語以外の働き

形容詞の働き

名詞を説明する

be動詞の後ろに置いて主語の様子や状況を説明する

副詞の働き

名詞以外を説明する

×

※副詞の中にはelse(他に)のように、名詞を修飾する例外的な副詞もあります。

 

上表のように、まずはざっくり押さえてください。

形容詞は名詞の修飾が専門、一方、副詞は名詞以外であれば何でも修飾できる修飾のプロですね。

では例題ポイントに戻りましょう。

問題の(  )には「どんな感じで眠れた(sleep)のか?」、つまりsleepという「動詞」を説明する修飾語が入ります。上表で考えると簡単ですね、

形容詞はで基本的に「名詞」しか修飾できませんのでgood(→形容詞)は文法的に誤りです。「しっかりと、よく」という意味で副詞の働きをする副詞wellを用いれば「よく眠れた」という表現になり意味的にも文法的にも正解!

 

Q.1 (1)正解:Did you sleep well last night?

 

(2) Q.1 (1)と同様、動詞(ここではspeaks)を修飾する副詞が正解。副詞の形で定番の基本形が「形容詞+ly」=「副詞」です。今回であれば形容詞quietの語尾にlyをつけると副詞quietlyになります。これを覚えておくだけでも形容詞と副詞の見た目の区別がつきやすく使い分けストレスを軽減することができます。

※すべての副詞の語尾がlyとは限りませんので注意してください。

 

形容詞+ly=副詞の例:

quick(素早い)-quickly(素早く)、easy(簡単な)- easily(簡単に)、slow(遅い)-slowly(遅く)、careful(注意深い)-carefully(注意深く)など 

※一部、語尾変化する副詞もあります

 

Q.1 (2)正解:Jim speaks very quietly.

 

例題Q.2

Q.02 日本語も参考に、(  )内の語を文法的に正しく並び替えましょう。

(1)「今日こちらは雨が強く降りました」 It ( today / hard / rained / here ).

(2)「私たちは金曜日にシカゴに到着しました」 ( on Friday / we / in Chicago / arrived ).

 

様態(様子・状況)+場所+時

(1) 結論からtoday(今日)、hard(激しく)、here(ここ)はいずれも副詞です。学習者にとって副詞の位置は悩みの種で、特に今回の副詞はいずれも文末でよく見かけるので、余計に混同します。それでは整理しましょう。

 

様子や状態(様態)

場所

well(上手に、十分に)、quietly(静かに)など

there(そこ)、in Kobe(神戸で)、at the station(駅で)など

yesterday(昨日)、last night(昨夜)など

 

文末によく置かれる副詞は意味によって主に様子や状態を示す「様態」、そして「場所」や「時」に分けられ、「様態+場所+時」の語順が基本です。用いる動詞と副詞の相性(結びつきの強さ)や音のリズムによっては「様態」と「場所」の位置が反対になるなどの例外もありますが、この基本語順を念頭に置いて例外にはその都度対応していくと良いでしょう。

 

前置きが長くなりましたが、Q.2 (1)の副詞を意味によって区別すると「today=時」、「hard=様態」、そして「here=場所」ですね。ここで上述の基本語順に当てはまるとhard here todayが自然な語順だとわかります。あとは「主語+動詞」(=It rained)でスタートする英文の原則に従えば英文の完成です。

 

Q.2 (1)正解:It rained hard here today.

 

 

「前置詞+名詞」=形容詞または副詞

(2) 形容詞と副詞は「修飾語」の働きをしますが、実は単純な英単語レベルではなく、「前置詞+名詞」のカタマリで1つの「修飾語」(=形容詞または副詞)として働くことが英語にはよくあります。Q.2 (2)ではin Chicago(シカゴに)=場所、on Friday(金曜日に)=時を表す副詞になっています。これをQ.2 (1)で押さえた文末に置く副詞の語順で考えればin Chicago on Fridayという自然な語順ができます。

 

形容詞の例)

  • The meals in the restaurant are good.(そのレストランの食事は美味しい)

 

「前置詞+名詞」in the restaurantは名詞The mealsにつながっている(修飾している)と考えると文意は自然になります。つまり、このカタマリが名詞を修飾する「形容詞」の働きをしているんですね。

※形容詞が2語以上のカタマリ(形容詞句)で名詞を修飾する場合、「名詞+形容詞のカタマリ」の語順になります。

 

Q.2 (2)正解:We arrived in Chicago on Friday.

 

発展クイズ

次の英文に誤りがあれば訂正しましょう。

Come quick, Ted!  Everybody’s waiting.

 

quickは形容詞で、文法に厳密に従うのであれば一般動詞comeを修飾する副詞quicklyでなければなりません。ただ、実際の日常会話では形容詞を副詞的に用いることがあります。特にcome/go/moveなど移動を表現する動作の組み合わせでこの傾向が強くなり、本来副詞であるべきところでも音のリズムの関係で形容詞が用いられています。

 

  • Can you speak slower?(もっとゆっくり話してくれない?)

 

この例文も形容詞形であるslowを副詞的に扱い、さらに比較級slowerにしたものですね。これはもちろん副詞slowlyの比較級more slowlyでも文法的にはまったく問題ありません。

 

(○)Can you speak more slowly?

 

正解:誤りなし/またはquick→quickly

※Everybodyは単数扱いのためbe動詞はisでOK

 

日本語訳例:

早く来て、テッド! みんな待ってるんだよ。

 

Thanks for reading!