Hi、皆さん、Evineです。
今は休刊してしまったMainichi Weekly(毎日ウィークリー)で、「ほら、わかる!中学英文法」というタイトルで、10年ほど前に2年間連載していたときの原稿を皆さんとシェアします。
現役の中学生、中学英語をやり直したい社会人向けのレベルになります。
コンテンツは全25回です。
- 名詞
- 冠詞と名詞
- 形容詞と名詞
- be動詞と一般動詞
- 副詞と形容詞
- 現在形と過去形
- 進行形
- 未来の表現
- 助動詞(1)
- 助動詞(2)
- 助動詞(3)
- 疑問詞(1)
- 疑問詞(2)
- 前置詞(1)
- 前置詞(2)
- 不定詞
- 不定詞と動名詞
- 接続詞
- 比較級(1)
- 比較級(2)
- 受け身
- 現在完了
- 分詞
- 関係代名詞
- 句動詞
社会人のための中学英語の学び直しをコンセプトに当時は連載していましたので、気軽に読んでいただけると内容になっています。ある程度、中学英文法の知識が固まっている方はあまり情報価値は高くありませんのでご了承ください。
基本的に原文のまま進めますが、あまりに英文法の学習ポイントが古くなってしまっている箇所があればアップデートして公開します。
それでは、第1回目をどうぞ。
数えられる名詞(可算名詞) vs. 数えられない名詞(不可算名詞)
「人」や「物」、そして「事がら」の名前(呼び方)を「名詞」と呼びます。
この名詞によって相手に自分が何の話をしているのか、そのイメージを簡単に伝えることができます。
dog(犬)やdesk(机)、Mount Fuji(富士山)など皆さんにとってもっとも身近な英単語は「名詞」かもしれません。だからこそ気楽に使うと思わぬ落とし穴があります。
では早速、例題にチャレンジしてみましょう。
例題Q.1
日本語も参考に、文法的に正しいものを1つずつ選びましょう。
(1)「私は庭で犬を飼っています」I have ( dog / a dog ) in the garden.
(2)「私はそれに関する情報があります」
I have ( an information / information / informations ) about it.
(1) 日本語では「犬」は「犬」です。
ところが英語では「犬」=dogではありません。英語において名詞は常に「数えられる名詞」(可算名詞)なのか「数えられない名詞」(不可算名詞)なのかを使い分ける必要があります。
名詞 |
数えられる名詞(可算名詞) ※辞書では[C]と明記 |
数えられない名詞(不可算名詞) ※辞書では[U]と明記 |
*C = Countable、U=Uncountable
「犬」dogは1匹、2匹と数えられる「可算名詞」です。
ここで注意したいのは、可算名詞であれば必ず「1」か「2」以上なのか、名詞の形(単数形か複数形か)をもって表現しなければなりません。
丸裸の原形dogは文法的に不完全で、今回は「1匹の犬」を意味する単数形のa dogが正解です。
Q.1 (1) 正解: I have ( a dog ) in the garden.
ちなみにこのa[またはan](不定冠詞と呼ぶ)は数字で「1」(=one)を意味する言葉でもありますので、単数形を示すサインだとまずは押さえておけばOKです。(※aについて詳しくは次回チェックします)
可算名詞は「数」に厳しい!
日本語 |
英語 |
英語における名詞の形 |
「犬」 |
a dog |
1を示す単数名詞(単数形)「1匹の犬」 |
dogs |
2以上を示す複数名詞(複数形)「複数匹の犬」 |
「2以上」であることを示す複数名詞は「名詞の語尾+s/es」の形で表現されます。単語帳や辞書の形をそのまま使用するのは危険ですね。常に可算名詞の数に注意し、単数形と複数形を使い分けてください。
不可算名詞に単数・複数の概念はなし
(2) information(情報)は数えられない不可算名詞です。
この不可算名詞には単数形や複数形がありません。
日本語 |
英語 |
英語における名詞の形 |
「情報」 |
information (×) an information, informations |
原形のみ |
Q.1 (2) 正解: I have ( information ) about it.
多くの英語学習者を悩ます不可算名詞ですが、ある程度の基本イメージは押さえることができます。それでは例題で確認しましょう。
例題Q.2
日本語も参考に、次の英単語のうち不可算名詞であるものを全て選びましょう。
(あ)「ノート」notebook
(い)「家具」furniture
(う)「オイル」oil
(え)「帽子」cap
(お)「自然」nature
不可算名詞のイメージ
何度も繰り返しますが、不可算名詞は数えることができません。明確な固定の形状を持たず、数えようにも境界線が曖昧で、1つ2つと分けることができないためです。またイメージが人それぞれバラバラで具体性がないのも特徴です。そんな不可算名詞の基本イメージを3つ挙げておきましょう。
数えられない名詞 ※常に原形 |
液体 |
water(水)、milk(ミルク)など |
総称 |
money(お金)、bread(パン)など |
|
概念 |
nature(自然)、love(愛)など |
やはり日本人にとって疑問なのが「なぜmoneyやbreadが数えられないのか?」ですね。それはmoneyやbreadが個々の単位や製品・商品名などを束ねる総称名(グループ名)だからです。
例えばmoneyはdollar(ドル)やcent(セント)をまとめて一言「お金(というもの)」という感覚で具体的な単位ではないため数えられないとされます。一方で具体的な金銭単位であるdollarやcentには複数形dollars、centsがちゃんとあるわけです。
Q.2 正解:不可算名詞…(い)(う)(お)
(い)「家具」furnitureは総称、(う)「オイル」oilは液体、そして(お)「自然」natureは概念で、数えようにも区切りがないイメージで1つ1つ明確に捉えることができず数えられない名詞とします。不可算名詞natureから、具体的な描写ができるtree(木)やriver(川)になると、これらは可算名詞です。
単数形a tree、複数形trees
単数形a river、複数形rivers
可算名詞のイメージ
不可算名詞に比べて押さえやすいものが可算名詞です。イメージは読んで字のごとく「数えられるもの」です。想像してください。何かを数えるためには、具体的で一定の形があり1つ1つ区別できるものでなければなりません。こうした区切り「境界線」が明確なものを可算名詞と呼び、人が何百人いてもある程度の共通イメージが容易に浮かぶものです。
可算名詞…(あ)(え)
「ノート」も「帽子」も具体的な形を持ち1つ1つ数えることが可能です。
発展クイズ
Q. 文意に合う適切な形を選びましょう。
There is ( a room / room ) to improve your performance.
文法的にはaがあれば可算名詞の扱い、aがなければ不可算名詞の扱いとなりますが、「部屋」は数えられる可算名詞でしょ?というのが先に浮かぶイメージではないでしょうか。ところが文意を推測したときに、この場面のroomは「部屋」という意味ではなさそうですね。
roomには不可算名詞で「空間・場所」「余地・余裕」「可能性」という意味があり、これが文意より正解です。実は、多くの名詞が両方の機能を持っており、何を伝えたいかにより使い分ける必要があります。
可算名詞の働きとしてroomには「部屋」という意味があります。
「部屋」は四方八方、壁で仕切られているわけですから「1室」「1室」が明確です。ところが不可算名詞として機能した時点でこの仕切りイメージが完全になくなり「部屋」→「空間」そして「可能性」という意味にまで変化するんですね。roomは可算名詞と決めつけるわけではなく柔軟に接することがリアルなコミュニケーションにおいては重要です。
正解:room
日本語訳:あなたの演技を改善する余地はありますね。
以上です。お疲れ様でした。
来週はEvineの英語塾で、恒例のスイーツを生徒たちにばら撒きます。
Thanks for reading!