Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

中学英文法の復習 #06 現在形と過去形

Hi、皆さん、エビンです。

 

全25回で完結、入門レベルの中学英文法のポイント復習です。

 

過去の解説記事はコチラ

evine.hatenablog.com

 

 

現在形と過去形

現在形と過去形、いわゆる「時」を表現する時制の勉強に入っていきます。日本語感覚のままの直訳では必ず落とし穴にはまってしまう、日本語と英語の時の表現方法のギャップを今回は押さえます。

 

例題Q.1

適切な形を選びましょう。

(1) I ( see / saw ) Jim at the station a couple of days ago. 

(2) ( Does / Did ) he come here often? – No, he’s usually very busy.

 

時制は動詞の形と副詞のコラボ

(1) 「いつの話なのか」を相手に伝える「時制」は「動詞の形」と「副詞」の組み合わせパターンが重要です。動詞の形を中心に、その話が現在なのか過去なのかを示し、さらにtoday(今日)やyesterday(昨日)などの時を表す副詞を組み合わせることでより明確な「時」の情報を相手に伝えることができます。今回は基本中の基本である「現在形」と「過去形」の違いを見ていきましょう。

 

時制の形

日本語訳例

用法

現在形

動詞(s/es)

「…です」「…します」

現在の習慣や状況(固定的、永続的なこと)

過去形

動詞ed

「…だった」「…しました」

過去の習慣や状況、出来事(もう終わったこと)

*現在形のs/esは主語が3人称単数He/She/It(またはこれに相当する名詞)の場合のみ

*実は、動詞の時に合わせた変化はこの現在形と過去形の2つしかありません。いわゆる時制というのは現在時制と過去時制の2つです。

 

a couple days ago「2、3日前」に注目。明らかに「過去の時点」を表していますからseeの過去形sawが正解。過去形で過去の出来事「ジムを見かけた」を表現したものですね。また過去形は「動詞の語尾+edが基本ですが、see→sawのように不規則に変化する動詞がありますので注意しましょう。

 

Q.1 (1)正解:I saw Jim at the station a couple of days ago.(数日前にジムを駅で見かけました)

 

(2) 返答文の内容(No, he’s …)から、「…しますか?」と普段の日常習慣をDoesで尋ねた現在形の疑問文が正解でした。今回のように時制が判断できる副詞がない場合は、文脈で判断しましょう。

 

Q.1 (2)正解:Does he come here often?(彼はよくここに来るの?-いや、いつもかなり忙しくしてるからね)

 

過去を示す副詞

過去形と一緒に用いられる代表的な副詞を例文と一緒に整理しておきましょう。

  • I met her yesterday.(昨日、彼女と会ったよ)
  • I went to Nagoya two days ago.(名古屋に2日前に行きました)
  • I came back last week.(先週、戻ってきたんだ)
  • I was in Hawaii at that time[then].(その時、ハワイにいたんだ)

 

yesterday(昨日)、 ago(~前)、last (この前の~)、at that time[=then](その時)

 

例題Q.2

文法的に誤っている箇所があれば訂正しましょう。※(1)番は日本語も参考にしてください。

(1)  When we’re in Canada, we met him. (カナダにいるとき、私たちは彼に会いました)

(2)  I picked up my son every day.

 

時の状況をよく想像する

(1) 「カナダにいるとき」、この日本語は「現在形」ですが、実際のコミュニケーションにおいて、この話を「現在」と勘違いする日本人は恐らくいません。日本語では現在(いる)と過去(出会った)が混在しても、「私は彼女と出会った」という文脈から時制が過去であることが自然に判断できます。

文脈を大切にするのは英語でも同じですが、時制を表す動詞の形も厳密に統一しようというのが英語です。つまり、中心の英文がwe met him(私たちは彼に会いました)と過去の内容であれば、つながる英文When …の中身も現在形are→過去形wereで一致させるのが英語のルールです。

※whenは接続詞でwhen 主語+動詞「(主語)が…するとき」と解釈します

 

Q.2 (1)正解:(×)we’re (○)we were

 

(2)「every day(毎日)=現在の話」。これが日本人の普通の発想ではないでしょうか。結論から言えばevery dayは何も現在形にのみ用いられるわけではありません。

過去にも当然、毎日の日々があったわけで、every dayと過去形の組み合わせはまったく不自然ではなく、Q.2(2)は過去形pickedで過去の習慣を表したもので文法的に全く問題ありません。つまりevery dayは現在の習慣「毎日…しています」過去の習慣「毎日…していました」の両方で用いることができるんですね。

 

Q.2 (2)正解:誤りなし([過去の習慣として] 僕は毎日車で息子を迎えに行っていました])

※I pick up my son every day.でも可([日常習慣として] 僕は毎日車で息子を迎えに行きます)

 

英語の感覚を大切に

他にも現在のみと誤解されやすい副詞を少し挙げておきましょう。

  • She always walked to school.(彼女はいつも歩いて通学していました)
  • I was tired today.(私は今日疲れていました)

 

always(いつも)、today(今日)は日本語の雰囲気で現在形とすぐに結びつくためか過去形にし忘れる学習者は多いものです。もちろんどちらも現在形と一緒に用いることができますが、過去の習慣・状況を表すために過去形の英文でもよく登場しますので柔軟に発信していきたいものです。

 

日本語の感覚のまま英語にできないことは今回の時制に限らずよくあることです。大切なことは状況をしっかり押さえ真意をつかむことです。日本語はあくまでも最終確認のために用いて、英語は英語で考えることに慣れていくことが大切です。

 

発展クイズ

文法的に適切なものを選び、自然な英文を完成させましょう。

I talked to him ( recently / these days ) about his manager.

 

どちらも時を表す副詞で「最近」という意味で知られますが、実は時制の相性があるため、使い分けが少々やっかいです。この英文の時制はtalkedから「過去形」であると判断できますので、ポイントはどちらを過去形と一緒に用いるかです。

 

結論からrecentlyが正解。

recentlyはnot long ago「少し前」「つい最近」の意味で過去を明確に示すago(~前)のニュアンスが含まれているのがポイントです。そのため過去形との相性は良く自然に用いることができます。これが正解でした。

 

ちなみにthese daysは「近頃は」の意味で過去との対比ニュアンスを含みながら現在の状況を述べるために「現在形」で用いるのが一般的です。

※recentlyは完了形、these daysは進行形でも用いることが可能

 

正解:recently

日本語訳例:私は最近、彼の上司のことで彼と話しました。

 

Thanks for reading!