Hi, みなさん、Evineです。
今回は親しみを感じるcanの紛らわしい用法の話です。時々、セミナーでお話しするネタですが、意外と知らない方もいます。
中学では一般的にcan = be able toと学習します。
以下のように、時制が今の話であればどちらでも言い換え可能です。
「私はドイツ語を話すことができる」
I can speak German.
I'm able to speak German. *be able toの方が固い響き
ところが、
これが過去形になると話が変わります。
次の2文の解釈は同じでしょうか?
(a) I could speak German.
(b) I was able to speak German.
「私はドイツ語を話せることができた」は英文(b)です。
では英文(a)の解釈は?
couldの場合、「私はドイツ語を話そうと思えば話せた」となり、過去に持っていた能力であり、状況によっては、次のようなニュアンスになります。
(I wish) I could speak German.
「ドイツ語が話せたらいいのになぁ」
I wish「私は〜を願う」があるかのような響きです。
もう一例、見ておきましょう。
I could run a marathon.
状況によって2通りの解釈が少なくとも可能です。
「マラソンを走ろうと思えば走れました」(過去の能力)
「マラソンが走れたらなぁ」(仮定法過去)
*run a marathonは42.195kmのフルマラソンを意味します。
「実際に行動してできた」という意味にしたい場合はwas/were able toを用います。
I was able to run a marathon.「マラソンを走ることができました」
言い換えると、実際に走ったという意味でI ran a marathon.になります。
ただし、次のように明確な文脈があれば、couldを「〜できた」という意味で用いることができます。
I could[was able to] run a marathon when I was young, but I can't now.「若いときはマラソンを走ることができたんだけど、今は無理だよ」
やはり文脈が大切ですね。
仮定法過去については過去の記事をご覧ください。
仮定法、特に仮定法過去の表現は日常会話には欠かせません。
詳細は拙著「Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル2」(アルク刊)に載せていますのでぜひお読みください。
有難いことに、この本が今月増刷され、献本がアルクさんから届きました。今回の増刷で別冊解答集の色が変更され、さらに読み易くなりました。
読者の皆さん、いつもありがとうございます。
Thanks for reading.