Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

コア英文法チャレンジ #3 仮定法

Hi、皆さん、エビンです。

 

英語学習は何からやるかで悩みがちですが、私が厳選したコア英文法をとりあえず覚えていただければというご提案シリーズ 第3回目の今回は「仮定法」クイズにチャレンジしてみましょう。

 

 

前回のクイズはコチラ

evine.hatenablog.com

 

英文法の基本知識をアウトプットする準備ができているか、一緒に確認していきます。

 

仮定法の運用力クイズ(制限時間12分)

1. 私が医者だったら、同じことをしているかも。  

If I (a)(          )(          ) doctor, I (b)(          )(          ) the same.

2. 私たちに起きたことをあなたは信じないでしょうね。

You (a)(          ) believe what (b)(          ) to us.

3. 今日は仕事がなければいいのにな。  

I wish I (          )(          )(          ) work today.

4. 休暇を満喫できるといいね。    

I hope you (          ) your vacation.

5. 私はたぶん1週間は寝れますよ。    

Maybe I (          )(          ) for a week.
6. 私だったら、ニューヨークに移住するだろう。    

If I (a)(          ) you, I (b)(          )(          ) to New York.

7. あなたが本当に私の友人なら、私がそんなことをしないのはわかっているでしょう。    

If you (a)(          ) really my friend, (b)(          )(          ) I (c)(          )(          ) that. 
8. 何があったか、彼に言ったほうがいい?─ あぁ、う~ん、私だったら何も言わないかなぁ。    

(a)(          )(          ) tell him what happened?─ Ah, well, I (b)(          )(          ) anything. 

 

Answer Key

正解は1つではありません。解答例は他にも色々ありますので、別解についてご質問があればぜひコメントに残してください。

 

1.  If I (a)were a doctor, I (b)might do the same.(私が医者だったら、同じことをしているかも)

2.  You (a)wouldn't believe what (b)happened to us.(私たちに起きたことをあなたは信じないでしょうね)

3.  I wish I didn't have to work today. (今日は仕事がなければいいのにな) 

4.  I hope you enjoy your vacation.(休暇を満喫できるといいね)

5.  Maybe I could sleep for a week.(私はたぶん1週間は寝れますよ) 
6.  If I (a)were you, I (b)would move to New York.(私だったら、ニューヨークに移住するだろう)    

7.  If you (a)were really my friend, (b)you’d know I (c)don’t do that.  (あなたが本当に私の友人なら、私がそんなことをしないのはわかっているでしょう) 
8.  (a)Should I tell him what happened?─ Ah, well, I (b)wouldn’t say anything. (何があったか、彼に言ったほうがいい?─ あぁ、う~ん、私だったら何も言わないかなぁ)  

 

ではポイントの解説をしましょう。できればご自身で何がポイントだったのかをイメージした上で、ご参考ください。

このクイズは拙著「Mr. Evineの英語塾 コア英文法」で扱ったポイントをベースに出題しています。

 

4月から教室で使用するコア英文法

 

コア英文法ポイント(解説)

「仮定法」と言いつつ、今回のクイズでは「仮定法過去完了」は扱っていません。日常英会話で重宝する仮定法過去を中心に出題しました。

 

高校生に仮定法って何?と尋ねると「仮定の話?」とたいてい返ってきますが、それをポイントにしていても、意外とうまく使うことができません。また、「仮定法過去=非現実の仮定の話」とも必ずしもなりません。

 

数値で言えば、あくまでも単純なイメージですが、話し手の中である事柄に対して、実際にそれが起こる可能性を「0%〜50%」の範囲で伝えるのが仮定法過去です。文法的な形は、ifの中で「過去形」、主節で「助動詞の過去形」を使います。

 

非現実的な仮定の話もあれば、話し手の中で確信がない、または自信のないことを話すのも仮定法過去であることを押さえておきましょう。それでは各問題のポイントをチェックしていきます。

 

1.  違う立場に立ったコメント

実際にはそうではないけれども、もしそうだったら、はまさに仮定法過去の基本です。「〜かも」はmight+動詞の原形で表現します。

If I were a doctor, I might do the same.(私が医者だったら、同じことをしているかも)

 

2. 信じる可能性の低さを表現するwouldn't

相手が信じてくれる可能性が「低い」と、話し手の中での自信のなさを仮定法過去wouldn't(〜ではないだろう)で表現したものです。後ろのhappened(起こった)は普通の過去形で、実際に過去に起こった出来事を表しています。

You wouldn't believe what happened to us.(私たちに起きたことをあなたは信じないでしょうね)

 

3.  叶わぬ願いを示すwish

I wish+S+仮定法過去「Sが…すればいいなぁ」。話し手の中で、wishは今、現実的に叶わないかなぁ、と考えていることを仮定法過去で表現します。

I wish I didn't have to work today. (今日は仕事がなければいいのにな) 

 

4.  現実的な願いを示すhope

wishと比較しましょう。I hope ...は実際に叶いそうな希望を表現しますので、仮定法過去ではない形(そのままの時制で示す直接法)で表現します。

will enjoyも可能ですが、hopeしているのは先の事柄であることは明確なので、特に日常会話では、hopeを現在形enjoyとセットで用いることが多いです。

I hope you enjoy your vacation.(休暇を満喫できるといいね)

 

5.  大袈裟に強調できる仮定法過去

実際に「1週間」も寝続けるわけではないのですが、「それくらい眠い」という誇張も仮定法過去で表現できます。

Maybe I could sleep for a week.(私はたぶん1週間は寝れますよ) 

 

6.  相手の立場になった素敵なアドバイス

If I were you「もし私があなただったら」と、相手の立場に立って、寄り添う形でアドバイスを送ることができるのも仮定法過去です。

ちなみに、もっと直接的なアドバイスをするのであれば、助動詞shouldを用いて、You should move to New York.(あなたはニューヨークに移住した方がいい)のような表現で言い換えるのもありですね。

If I were you, I would move to New York.(もし十分なお金があれば、ニューヨークに移住するだろう)  

 

7.  間接的に相手に理解させる仮定法過去

仮定法過去は間接的な言い方だけれども、今回のように結果的に説得力を持って話を進めることもできます。you'd know ~で「〜のことは、分かってるよね?」と間接的に同意を求めています。*you'd = you would

またポイントはI don't do thatの部分は現在形(=直接法)で仮定法過去になっていないこと。現在形の否定文にすることで、普段の習慣としてそんなことをしない、という意味が明確になっています。

If you were really my friend, you’d know I don’t do that.  (あなたが本当に私の友人なら、私がそんなことをしないのはわかっているでしょう) 


8.  If節の省略

1文目のShould I ...?は「…した方がいいかなぁ?」と相手に助言を求める場合に使います。そこまで義務感は強くありませんのでカジュアルに使えます。

2文目はif I were you, I wouldn`t say anythingのif節を言わなくてもわかるというパターンの省略です。ポイントは問題(6)と同じですね。問題(2)(5)も同様、if節のない助動詞の過去形は日常会話でもよく見られます。助動詞の過去形は(×)「過去の話」をしているわけではないのがポイントです。

Should I tell him what happened?─ Ah, well, I wouldn’t say anything. (何があったか、彼に言ったほうがいい?─ あぁ、う~ん、私だったら何も言わないかなぁ)

 

理屈整理と気持ち発信の最強コラボ

さて、今回のクイズ結果はどうでしたでしょうか。

前回の助動詞同様、うまく仮定法過去を扱うことでその場面に合わせた自分の気持ちがうまく表現できるようになります。

ただし、こうした発信や運用力を意識した学習は、そもそも中学英語レベルの英文法の知識が備わっているかどうかが学習効果に大きな影響を及します。

 

学習教材セットとしては「Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル」(アルク)を1ヶ月短期集中でやり込み、その後、ドリルの復習(2周目〜)と並行して、「Mr.Evineの英語塾 コア英文法」(ベレ出版)に1、2ヶ月かけて取り組むことをお勧めします。

 

3ヶ月程度の英文法学習を集中的に取り組む中で、音読も必ず重視すればその後の学習ステージにスムーズに移行することができます。

 

「中学英文法を修了するドリル」の効果的な取り組み方についてはYouTuberの

やすラズマタズ in UK - YouTube

さんがとてもわかりやすく解説してくださっているのでお時間あるときにぜひご参考ください。

 


www.youtube.com

 

お陰様で、特にこの数ヶ月は語学の春も影響してか、「中学英文法を修了するドリル」の需要が高まっておりまして、オンラインショップでは、現在品切れ、品薄状態が続いているようです。出版社も増刷をかけて対応してくださっていますが、間に合っていない状態です。ご興味のある方はぜひリアル書店さんにてお買い求めください。

 

Thanks for reading!