Hi, みなさん、Evineです。
以前、冠詞を含めて限定詞の話を書きました。
その中で少し触れた「数量」を示す形容詞someの話を今回は書きます。
中高生の英作文を添削していると、生徒たちからあまりsomeを用いる意識が感じられません。
英語の成績が良く、名詞の基本的な使い方をよく理解している生徒でも
a book
the book
books
the books
くらいの範囲で使い分け、わざわざ「何冊かの」と日本語が書いてあればsome booksにするといった感じです。「本」とあってsome booksと状況によって使い分けて表現できるのは意外と少ないものです。
では次の2文の違いは何でしょうか。
「息子がそこで本を買いました」
(a) My son bought books there.
(b) My son bought some books there.
基本的に「数量」を明確にするのが英語ですから、英文(a)の場合は少々不親切な響きです。「何冊の本を買ったんだろう?」と相手は場合によって感じるわけです。一方、someがあることで心地が良くなります。
someのニュアンスはその場の状況に合わせた「適量」です。
someの働き:
「多すぎず少なすぎず」という感じで名詞の適当な数量を伝える
これがあることで相手も常識的に「これくらいかな?」という印象が伝わります。逆に言えば数量を曖昧な感じで伝えるのに使い勝手がいいわけですね。
You need money.(お金が必要だ)
You need some money.(ちょっとお金が必要だ)
someのない英文だとストレートな感じで相手は身構えますよね。
ただし、「●●冊」と明確にする必要のあるビジネスの場面などであればten books(10冊の本)のように数字を明記するのが一般的です。
数量を適当に話せる状況で、ごく自然に使われるsomeを意識してみてくださいね。
ちなみに、someは疑問文と否定文ではanyになるというルールもありますが、次のような会話表現では疑問文でもsomeが自然です。
Can I have some water?(お水をいただけませんか)
Do you want some tea?(お茶いりますか?)
Would you like some tea?(お茶はいかがですか?)
Do you want ...?は身内や親しい間柄でストレートに「〜はいる?」という感じで尋ねる表現で、Would you like ...?の方が丁寧な響きになります。
someは形容詞の他に名詞の用法もあるため、いずれの例文もsomeだけでもOKです。
Can I have some?
Do you want some?
Would you like some?
お互いに何の話か分かっている前提にはなりますが、これもよく使われるカタチです。
ぜひsomeに含まれるニュアンスを感じながら英文に触れてみてくださいね。
someの話は過去の記事でも整理していますので、よろしければご覧ください。
Thanks for reading.