Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

過去形で示す3つの表現

Hi, みなさん、Evineです。

 

今回は過去形の話です。基本時制について、過去記事もぜひご参考ください。

evine.hatenablog.com

 

過去形の表現は3つ

 

早速ですが、同じ過去形を用いた3つの例文を比較しましょう。

 

1. After Mom went upstairs, I looked in the fridge. 

 

2. Could you keep our luggage while we are away? 

 

3. If you were prime minister, what would you do about that? 

 

1. 過去を示す基本形ですね。

goの過去形went、lookの過去形lookedを用いた過去の話です。

「お母さんが2階に上がった後、僕は冷蔵庫の中をのぞいた」

 

2. 言っている場面は現在ですが、助動詞canの過去形couldで丁寧にお願いをする表現になっています。

「外出している間、荷物を預かっていただけませんか?」

 

3. 仮定法過去「もし〜なら」の過去形wereとwouldです。

「あなたが総理大臣だったら、それに対して、何をしますか?」

 

異なる表現に同じ過去形という時制のカタチ。形が同じということはコアニュアンスが同じだからですね。

 

過去形のコアニュアンス

過去形のコアニュアンスは「距離感」です。距離がある感じを3つの視点で考えると3つの表現につながります。

 

1. 「時」の距離感=過去形

2. 「人」との距離感=助動詞の丁寧表現

3. 「現実」との距離感=仮定法過去

 

1. After Mom went upstairs, I looked in the fridge. 

 母親が二階に上がる、冷蔵庫を覗く、いずれも過去の出来事で現在の話ではなく、過去と現在の距離感が過去形wentとlookedで表現されています。

 

2. Could you keep our luggage while we are away? 

丁寧に話すべき相手に対しては、自分が一歩後ろに下がって距離を置くそんな距離感で丁寧なニュアンスが生じます。

 

3. If you were prime minister, what would you do about that? 

 相手は実際に総理大臣ではないのですから、現実との距離感があるわけですね。

仮定法過去=非現実的な話とよく言われますが、実際には実現の可能性が0%の話だけではなく実現の可能性が低いと話し手が感じている事柄であればこの仮定法過去形を用いることができます。

 

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過去形 使い分けクイズ

日本語の意味を参考に、(  )に適切な語を入れましょう。

1.「できればいいんだけど、でも手伝えないんだ」

I wish I (a)(          ) help you, but I (b)(          )

 

2.「雨が降っていたら、僕はドライブに出かけないよ」(実際には降っていない)

If it (a)(          ) raining, I (b)(          ) go driving. 

 

3.「 さっきアヤと朝食を食べました。忙しそうだったよ」

I (a)(          ) breakfast with Aya just now. She (b)(          ) busy. 

 

4.「私なら間違いなくそれを利用しているだろう」

I (          ) definitely take advantage of that. 

 

5.「君に起きたことを彼女たちは信じないでしょうね」

They (a)(           ) believe what (b)( h-          ) to you. 

 

6.「少しお話しできますか?-いいですよ」

"(          ) I talk to you for a few minutes? - Sure." 

 

答え合わせ

 

1. I wish I (a)could help you, but I (b)can’t

(a) 実際にはできないこと、つまり現実にはならない叶わぬ願望をwishで表現する仮定法過去couldです。(b) butの後ろは「できない」という現在の事実をそのままストレートに表現するcan'tです。

 

2. If it (a)was raining, I (b)wouldn’t go driving. 

(a) 実際にそうなっていないことを表現するbe動詞の仮定法過去was/wereです。口語ではwasもよく使われます。(b)「〜しないだろう」と現実に起こる可能性の低さをwouldn'tで表現したものです。

 

3. I (a)had breakfast with Aya just now. She (b)seemed busy. 

(a) just now = a minute agoでほんの少し前の過去の出来事を表現します。単純な過去の話をする過去形had。(b) 印象を伝えるseemedです。seemedはlookedでもOKです。

 

4. I would definitely take advantage of that. 

相手の立場に立ってアドバイスを述べる仮定法過去would(〜するだろう)です。現実には自分は相手ではないことを仮定法過去で表現されます。

*take advantage of(〜をうまく利用する)

 

5. They (a)wouldn’t believe what (b)happened to you. 

(a) 信じる可能性の低さを仮定法過去wouldn't(〜しないだろう)で表現したものです。「〜しません」と自信・確信を持って伝える場合はwon'tになります。(b) 実際に起こった過去の出来事を表す時の過去形happenedです。

*物事+happen to+人(〜が(人)に起こる)

 

6. "Could I talk to you for a few minutes? - Sure." 

相手と距離を置いて丁寧さを示すCould I ~?(〜してもよろしいでしょうか)です。丁寧に許可を求める表現です。

 

 

Thanks for reading.

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