Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

中学英文法の復習 #07 進行形

Hi、皆さん、エビンです。

 

今回も中学英文法の復習をしましょう!

シリーズで公開中です。

 

evine.hatenablog.com

 

 

進行形 vs. 現在形と過去形

今回は「進行形」と呼ばれる時制の形を勉強します。前回と同様、日本語と英語の時の感覚のギャップの怖さを押さえると同時に、現在形や過去形などの基本時制と進行形のニュアンスの違いをチェックします。一度覚えたらかなり便利で重宝する進行形の表現を身につけましょう。

 

例題Q.1

日本語を参考に、適切な形を選びましょう。

(1) 「見てよ、今また激しく雨が降ってるよ」

Look, ( it’s raining / it rains ) hard again now.

(2) 「ロンドンで雨がたくさん降りました」

It ( was raining / rained ) a lot in London.

 

現在形 vs 現在進行形

(1) 「雨が降っている」は現在の単なるお天気習慣を述べているわけではなく、「今の一時的な状況」を指しています。結論から言えば、「ずっとこれからも続くわけではない、今現在の状況」、つまり一時的感覚を相手に伝えるのが現在進行形「be動詞(is/am/are)+動詞のing形」で、これが正解。一方、現在形it rainsは「雨が降る」という一般的、固定的な状況を指し、文意に合わず不適切でした。

 

現在形

be動詞is/am/areまたは一般動詞(s/es)

「…だ」「…する」

現在の習慣や状況

現在進行形

is/am/are+動詞のing形

「(今)…している、しているところだ」

今の一時的な状況、出来事

 

「進行形」は「一時的」ニュアンスを表現し、基本時制はそのような感覚の縛りがありません。「雨が目の前でザーザー降っている」という状況は誰もが「一時的な」ものとして捉えていますので、そこが進行形にピッタリなんですね。日本語では一時的であろうと単なる習慣であろうと「…しています」と表現する場合がよくありますが、ネイティブのこの感覚を意識し適切な使い分けを目指しましょう。

 

Q.1 (1)正解:Look, it’s raining hard again now.

 

過去形 vs. 過去進行形

(2) 「雨が降りました」単純な過去の出来事「あの時、こんなことがあった!」を表現しており、基本時制の過去形rainedが正解。一方、過去進行形was rainingにすると現在進行形と同様、一時的感覚「(一時的に)雨が降っていた」が生じ、文意に合わないため今回は不正解。

 

過去形

動詞ed

「…だった」「…した」

過去の出来事、過去の習慣や状況

過去進行形

was/were+動詞のing形

「(あの時)…していた、しているところだった」

過去の一時的な状況、出来事

 

Q.1 (2)正解:It rained a lot in London.

 

例題Q.2

文法的に誤っている箇所があれば訂正しましょう。※(2)番は日本語も参考にしてください。

(1)  He’s having a nice car.

(2)  「家に車で帰宅途中、僕は彼女を見かけた」When I drove home, I saw her.

 

状態を意味する場合は進行形にはできない

(1) まず文意を推測し「車の所有」を表現したものと考えます。この「所有」(=have)というのは単純に1回1回で動作で終わってしまう動詞(動作動詞)ではなく、ある程度その状況が続くことを示す動詞(状態動詞)です。このような状態動詞の場合、現在形haveで、すでに「所有している」という状態の継続、つまり進行形ニュアンスと重なるため進行形にはできません

 

他にも通常、進行形にできない基本的な状態動詞をいくつか挙げておきましょう。

like(…が好きである)、know(…を知っている)、want(…が欲しい)、believe(…を信じている)

 

Q.2 (1)正解:(×)He’s having (○)He has(彼は素敵な車を持っています)

 

ただし、haveには「…を持っている」という意味だけではなく、eat(…を食べる)experience(…を経験する)の意味で動作動詞として用いることがあり、その場合の進行形はOKです。

 

(○)I’m having[eating] lunch.(私はランチを食べているところです)

(○)We’re having[experiencing] a good time.(私たちは楽しく過ごしています)

 

動作の状況イメージをしっかり持とう

(2) この問題では動詞が2つあります。drive(運転する)とsee(…を見かける)ですね。時制は動詞の形によって変化するため動詞に注目しなければなりません。

 

過去形droveは「運転しました」という過去の単なる出来事を表現したものです。「車で帰宅途中」というのは「過去のある一時点で運転をしていた」という状況を指すため、過去形のままでは文意に合いません。そこで過去進行形was drivingに言い換えることで「運転していました」と自然な文意にすることができます。

 

「…していたとき(⇒一時的な状況)、~しました(⇒過去の出来事)」という感じで、それぞれの動作状況を頭でしっかりイメージしたうえで時制の形を決定することを常に意識しましょう。

 

Q.2 (2)正解:(×)drove (○)was driving

※このhomeは副詞で「家へ・に」という意味で使われ前置詞は不要。

 

発展クイズ

文法的に適切なものを選び、自然な英文を完成させましょう。

Hang on, ( I’m thinking / I think ).

 

文意を推測すれば比較的、簡単に正解できる問題でした。動詞の意味によって進行形にできる、できないというルールがポイントです。

 

さて、今回の問題で注意しなければならないのは、thinkには「思う」と「考える」という意味で大きく2パターンの使い分けが必要になるということです。例題では後者の「考える」という意味で用いられています。この意味では「脳みそを動かす」という動的なニュアンスがあるためthinkは動作動詞扱いとなり進行形で言い換えることが可能です。

 

一方、「思う」という「心の思考」を表す場合、thinkは動作動詞から状態動詞扱いとなり進行形にできなくなります。

 

I think he’s single.「彼は独身だと思う」

(×)I’m thinking he’s single.

 

1つの動詞に対してたった1つの用法を覚えるだけでは発信力につながりません。辞書などを活用し、できるだけ多くの用法を意識的に使えるようにしたいですね。

 

正解:I’m thinking

日本語訳例:ちょっと待って、考えてるんだから。

 

Thanks for reading!