Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

中学英文法の復習 #02 冠詞と名詞

Hi、皆さん、エビンです。

 

第2回目の中学英文法の復習です。第1回目はコチラからお読みください。

 

evine.hatenablog.com

 

Contents

 

冠詞の話

名詞の前にあるストレスな存在、a/an/the、いわゆる冠詞と名詞の関係を今回は押さえます。ここはa、ここはthe、ここは何もいらない、いるのやらいらないのやら行き当たりバッタリで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

 

実は会話に必要な重要ポイントは単純明快な理屈で整理整頓することができます。では早速、例題にチャレンジしてみましょう。

 

例題Q.1

日本語も参考に、文法的に正しいものを1つ選びましょう。

(1) 「これはミカンです」 This is ( a / an ) orange.

(2) 「私は沖縄に友人がいます」 I have ( the friend / friend / a friend ) in Okinawa.

 

aanの使い分け

(1) 名詞orange(ミカン)のように母音(ア・イ・ウ・エ・オ)始まりの単語の前に置く場合はa→anに変化します。ネイティブにとってa orangeのように「母音+母音」は発音がしにくいため「子音+母音」になるように子音nを足してanになっていると押さえましょう。

※母音以外の音を子音と呼ぶ

 

Q.1 (1) 正解:This is ( an ) orange.

 

atheのニュアンス変化

 

(2) 早速ですが、前回勉強したポイントを思い出してください。

「友人」は数えられる名詞で丸裸でfriendとは言えません。(×)「友人」= friend

そこでfriendの前に置くのは「a」なのか「the」なのかになりますが、もちろん適当に決まっているわけではありません。

 

不定冠詞a friend

ある友人(ある一人の友人)

相手が知らない「友人」

定冠詞the friend

その友人(例の友人)

相手も知っている「友人」

 

自分がこれから話そうとする名詞を相手が知らない場合には不定冠詞a/an、相手がその名詞を知っている場合には定冠詞theを用いるのが冠詞の基本ポイントです。

 

例題の状況はどうでしょうか。

聞き手にとって初耳であるかのような話しぶりですね。ここが冠詞の判断ポイントで、つまり、まったく知らない人について「例の友人がさぁ、沖縄にいるんだよ」と言われても困りますよね。例題の場面のように相手はきっと知らないだろうなと話し手が推測する場合にはa/anを用いるのが自然で、冠詞a/an/theを「相手への思いやり」文法と押さえておきましょう。

 

Q.1 (2)正解:I have ( a friend ) in Okinawa.

 

それではQ.2で少し応用問題にチャレンジしてください。

例題Q.2

日本語も参考に、文法的に正しいものを1つ選びましょう。

(1) (窓が1つある部屋で)「ここは暑いね。窓を開けてください。― いいですよ」 

[In a room with a window] It’s hot here. Please open ( a window / window / the window ). ― Sure.

(2) 「私はトマトが好きです」 I like ( a tomatoes / tomatoes ).

 

(1) ちょっと困りました。

「窓」という日本語だけで「ある窓」とも「その窓」とも書いてありません。日本語を参考にとはありますが、コミュニケーションは相手がリアルに存在し、話の流れがあるわけでそこも大切にしなければなりません。

 

Q.1の解説(2)で冠詞は自分が伝えたい名詞について相手が知っているのか、知らないのかで使い分けると押さえました。

そこで今回の状況を想像しましょう。窓を開けて欲しいことを伝えて、相手はどの窓を開ければよいのか容易に分かっている様子です。つまり、同じ1つの部屋にいる状況下で、話し手と聞き手の間で「情報共有」ができていると考えます。これが定冠詞theの自然な使い方です。

 

自然なtheの使い方

 

情報共有のthe

話しの流れの中で、ある程度容易に特定できる名詞にはtheを用いる

 

 聞き手にとって初耳でない場合はtheと押さえました。つまり、話し手と聞き手が情報共有できていると考えられる場面でもtheということになります。この感覚が身に着けばグーンとネイティブの英語に近づくはずです。

 

Q.2 (1)正解:Please open ( the window ).

 

冠詞と名詞の組み合わせ

 

(2) 実は不定冠詞a/anは相手が初耳の新情報であればどんな名詞の前にでも置けるわけではありません。以下のような組み合わせの条件がありますので注意しましょう。

 

不定冠詞a/an

数えられる名詞の単数形のみ

定冠詞the

数えられる名詞の単数・複数形または数えられない名詞

 

 a/anは単数形の数えられる名詞にしか用いることができず複数名詞tomatoesの前には置けません。では新情報で複数名詞の場合はどうなるのか?その場合はa/an/theがない無冠詞で用いるのが基本パターンです。ちなみに数えられる名詞で単数形の場合は丸裸の状態、つまり無冠詞はNGでしたね。

 

Q.2 (2)正解: I like ( tomatoes ).

 

発展クイズ

次の英文(A)(B)のうち、より自然な英文はどちらになるでしょうか。

(A) I usually take the bus to work.

(B) I sometimes take the taxi to work.

 

実は文法的にはどちらも問題ありません。ただし、結論から言えば、英文(B)のtake the taxiは日常会話では少々不自然に聞こえます。何気ない会話の中でthe taxiのtheに違和感があるのです。

 

本誌で扱ったtheのポイントを別の角度から整理しますと、定冠詞theは「聞き手が話し手の情報に対して特定できる範囲内であるか」が目安と押さえることができます。そこで、バスとタクシーの普段の利用方法を想像してみましょう。「バス路線」はある程度明確で特定圏内ですが、「タクシー路線」なんてものは明確に定まっていないというのが普通ではないでしょうか。つまり専属のタクシーを所有しているようなケースであれば特定色のあるthe taxiでも自然ですがそうでないのであれば特定せずにa taxiとするのが自然と考えるわけです。

 

ちなみに英文(A)のthe busを不定冠詞a busとしてもOKです。

 

あくまでも場面や相手との関係によりけりで、お互い仕事仲間として、「バス通勤」と言えばすんなり「あの路線だな」と想像つくような場合は、今回のようにthe busが自然でしょうし、漠然とした情報であればa busでも十分自然に聞こえるでしょう。今回は「タクシー路線」というものが一般的には明確ではないイメージであることが大きな判断ポイントでした。

 

正解:(A)

日本語訳例:

(A) 僕はいつもバス出勤しています (B) 僕は時々タクシーで出勤しています 

 

 

Kindle ホワイトペーパー版に新刊「Mr.Evineのコア英文法」の電子書籍版をダウンロードしました。これ、いつの間にかリリースされてたんで驚きました(笑)

 

分厚目の本なので、まあ、持ち運ぶには便利ですよね。自分の書籍データーですが、ちゃんと自分で購入しました(笑)

 

Thanks for reading!