Hi、皆さん、エビンです。
第3回目の中学英文法の復習です。全25回公開していきます。大人のやり直し英文法だけでなく、現役の中学生にも読んでいただきたい基礎内容です。
第1回目はコチラ
冠詞+名詞
「冠詞+名詞」でa dog「ある1匹の犬」。
不特定多数の中の1匹ということで、確かに文法的に完璧なカタマリですが、これだけでは「どんな犬なのか?」はまったく相手に伝えることはできません。
そこで今回は名詞の様子や状況を詳しく説明してくれる「形容詞」をチェックしましょう。早速、例題にチャレンジしてください。
例題Q.1
日本語も参考に、( )内の語を文法的に正しく並び替えましょう。ただし、不要なものが1つずつありますので注意してください。 (1) 「それは面白い映画でした」 It was ( a / movie / interesting / an ). (2) 「これは役に立つ情報です」 This is ( information / an / useful ). |
「冠詞+形容詞+名詞」の語順
(1) 形容詞は名詞専用の「修飾語」として常に名詞にピッタリと寄り添い、以下のような働きをします。
形容詞 |
人や物事の「性質」「状態」「形」「数量」などを表現するための言葉 (例)kind(親切な)、interesting(面白い)、small(小さな)、round(丸い)、quiet(静かな)、many(たくさんの)など |
形容詞を用いた場合の語順は「形容詞+名詞」が基本パターンです。そして、忘れてはならないのが冠詞の存在です。ここではmovie(映画)が単数形ですので選択肢の中にある「1」を意味する不定冠詞a/anのいずれかが必要です。
名詞が母音の音で始まればa→anということを勉強しましたが、冠詞の後ろが形容詞の場合、その形容詞が母音始まりであればanになります。名詞の音とは限らないんですね、スムーズにリズムよく発音するためのルールですから、冠詞の後ろに続く音をしっかり押さえましょう。
× |
○ |
interesting a movie |
an interesting movie 「冠詞+形容詞+名詞」 |
a interesting movie |
Q.1 (1)正解:It was an interesting movie. (×)a
数えられない名詞に注意
(2) まずusefulは「役に立つ」という意味の形容詞です。
この形容詞が名詞informationの前にあるおかげで「情報が役に立つもの」なんだ、と詳しく相手に理解してもらえるわけです。
このように形容詞は重要な役割を果たしていますが、実は形容詞があることでうっかり見落としてしまうのが冠詞a/an/theの有無です。今回のケースであれば、usefulだけに気を取られinformationが不可算名詞であることをつい忘れてしまう学習者がいます。不可算名詞であれば不定冠詞anは不要ですね。
単純な「冠詞+名詞」の組み合わせであれば名詞に気を配れますが形容詞が間に入ることで冠詞が抜けてしまったり、数えられない名詞に不定冠詞a/anを用いてしまうトラブルがありますので注意しましょう。
Q.1 (2)正解:This is useful information. (×)an
例題Q.2
日本語の意味になるように適切なものを1つずつ選びましょう。 (1) 「こちらでランチを食べる学生たちもいます」 ( Some students / Students ) have lunch here. (2) 「カナダは雪がたくさん降ります」 Canada has ( a lot of / many ) snow. |
不特定の適量を表現するsome
(1) 「いくらかの」「いくつかの」という意味で、「不特定」の「数」や「量」を示す便利な形容詞someです。このsomeは状況に合わせた「適量」の感覚で用いられます。
問題のように複数形students(生徒たち)の前に置けば「すべての生徒ではないが、ある一定の数の生徒たち」というニュアンスになり、日本語の意味に合いますね。一方、無冠詞の複数形studentsだけで用いると漠然としたニュアンスで、文脈によっては「学生全般」という一般論を述べるような意味合いになり今回の例題では不自然です。
Q.2 (1)正解:Some students have lunch here.
「たくさんの~」を意味する形容詞の使い分けに注意
(2) a lot ofとmany、どちらも「たくさんの~」を意味する形容詞ですが使い分けポイントは何でしょうか?
実は「数」や「量」が「どれくらいなのか」を示す形容詞の中には、厳しく名詞の種類を限定するものがあります。例えば、manyとmuchはその代表的なものですが、下の表にある使い分けに注意しなければなりません。
many |
数えられる名詞(可算名詞)の複数形のみ |
much |
数えられない名詞(不可算名詞)のみ |
a lot of ※口語ではlots of |
数えられる名詞(可算名詞)の複数形または数えられない名詞(不可算名詞) |
この表のとおり、manyは数えられる名詞の複数形にしか用いることができません。
例題Q.2(2)の名詞snowは可算名詞でしょうか不可算名詞でしょうか?「雪」のイメージはどこからどこまで、という境界線がハッキリしません。単純明快に1つ2つと切り分けることができないため不可算名詞と考えます。一方、a lot ofは不可算名詞に用いることも可能ですから正解はa lot of snowになるわけです。
さて、ここで1つ疑問です。上の表から考えるとmanyとmuchの使い分けをいちいち覚えなくてもa lot of/lots ofですべてOKのように思えますね。実はそう簡単にはいきません。ネイティブは肯定文ではa lot of/lots of、疑問文や否定文ではmanyとmuchのように使い分けるのが基本です。(特にmuchは厳密にこのルールが適用されています)
今回は問題文の選択肢にはありませんでしたが肯定文においてa lot of snowを実際にはmuch snowとは言わないということも押さえておきましょう。
※主語やso many/much(とてもたくさんの)のようなフレーズの形であればmany/muchを肯定文で用いることは可能
Q.2 (2)正解: Canada has a lot of snow.
発展クイズ
次の( )内の語(語句)を文法的に正しく並び替えましょう。 I’m ( shirt / to / looking / similar / for / a ) this. |
形容詞similar「似ている」「同様の」の適切な位置が今回のポイントです。形容詞は「形容詞+名詞」の語順で前から後ろの名詞を修飾する形が一般的ですが、実際には後ろから名詞を修飾する形容詞のパターン(後置修飾)もあります。ではどのような場合に語順の変化が生じるのか?
形容詞が他の単語とセットになり1つのフレーズ化している場合は「名詞+形容詞フレーズ」の語順!
形容詞similarの定番の形はsimilar to …(…と似ている)で前置詞toとよくセットになります。これがまさに今回のポイントで、「名詞[ a shirt ]+形容詞フレーズ[ similar to … ]」の語順が適切です。
(×)a similar shirt to …
ちなみに形容詞similar単体であれば、基本語順に戻り前から名詞を修飾することができます。
- We got a similar result.(私たちは同様の結果を得ました)
その他の慣用句的に用いられている「名詞+形容詞フレーズ」の例:
- Do you have a double room available for two nights? (2泊で利用できるダブル・ルームはありますか?)
- There are birds unique to this area. (この地域では珍しい鳥たちがいます)
正解:I’m looking for a shirt similar to this.
※look for …「…を探す」を現在進行形「…しているところだ」にした形
日本語訳例:
これに似たシャツを探しています。
Thanks for reading!