Hi、皆さん、エビンです。
今回は本を出版したい方向けの話です。特に自分で出版社に売り込むことを想定しています。
2007年に1冊目を出し、これまでに20数冊の語学書の出版、雑誌や英字新聞のコラム執筆に携わっており、語学書においてはそれなりの執筆経験がありますので、話せることはあるかと思います。僕も1冊目は完全に売り込みです。2006年ごろに自分で取りまとめた企画とサンプル原稿を今もお世話になっている出版社アルクさんの編集部にメールで送ったのが始まりです。
紀伊國屋梅田本店さんのフェア台(その節はお世話になりました!)
今回の話では次のような方を対象としていますので、すでに実績のある方はあまり参考にはなりません自費出版ではなく、商業出版にご興味のある方はぜひご参考ください。
*商業出版は、出版社が出版に関わる費用をすべて負担して本を出すことを指します。
- いつか自分の本を出したい方
- 企画が中々通らない方
- そもそも本の売り込み方が分からない方
本を出版する方法というのは色んなブロガーさんが既に懇切丁寧に書かれていますので、僕は僕の経験だけの話をします。僕の場合は語学書なので少し偏りはあるかもしれませんが少しはヒントになるかと思います。色んな編集者さんと話をしているとやはりボツになる著者というのは一定数の特徴はあるように感じています。そりゃ出せないよねって。
まず最初に出版社に自分を売り込む場合に、準備するものとしては2点あります。
1. 企画書
2. 著者の実績を含むプロフィール
もうこの2点を本気で整理していく中で、挫折する方もいらっしゃると思います。
唯一無二の企画を考えてみてください。そしてこの企画は自分にしか書けないのかどうか、他の著者と比較してじっくり企画とプロフィールに向き合ってみてください。
意外とまとまらない、意外と実績がない、そう感じる方は自分を売り込むタイミングではないのかもしれません。
また英語の学習書などを買う動機としては、2点あります。
1. その著者が好き、著者の書き方のスタイルが好き
2. 本の対象、その本をやることで何を得られるのかが明確に伝わってくるもの
結局、その本で学習しやすかったかどうかはやはりやってみないと分かりません。やはり、著者のことを知っているか、あるいは達成したい目的意識が一番の購入動機になってきます。あとは見た目の装丁ですね。色味だったりレイアウト的なデザイン、視覚的に読みやすいかどうかなど、ただこのあたりは著者がそこまで関わることではありません。
さて、実際に書く企画ですが、自分的には面白いと思っても、実は他の著者がすでに書いていたり、マーケットやジャンルを考えると生涯部数が見込めないなど、現実は厳しいものです。
出版社にとって新刊は投資です。
出版社も儲けないといけません。当然、投資に失敗はしたくありませんので、知らない著者に書かせるぐらいなら、出版実績のある著者や出版社が書いて欲しい方に直接声をかけるのが普通です。
まずは、企画書が書けるか、アピールできるだけのプロフィールになるのか、そこがまず最初です。当然ながら企画書を実現できる能力はプロフィールで示さなければなりません。
これは当然ですね。TOEIC 700点講師が、TOEIC900点突破本なんてのは書けません。
自分が書きたい本ではなく、出版社が出したい本が書けるか?
これ意外と重要で、この妥協ができないと実は本は出せません。
本は、著者のモノではなく、出版社の商品です。
この感覚(というか現実)がポイントです。
当然、文字に著作権はありますが、あくまでも本は出版社のモノですよね。
そこを勘違いしてはいけない。
もちろん自分が興味もなく、書きたくないものを無理に書く必要はありませんが、ある程度の前向きな妥協は必ず必要です。かなり夢のない話をしていますが。
自分の書きたいものと出版社が商品化したいもの
どう折り合いをつけるのか、着地点の探り合いを最初の企画書を通してイメージが描けるかどうかがポイントになります。
あとは結局、売れなきゃ話になりません。
どの著者も出版社も全力で売れる本を意識して作ってるわけですが、実際は本当に厳しいです。正確な数字は統計がたぶんないと思いますので分かりませんが、見聞きした経験として増刷がかかる本は全体の1〜2割程度だと聞くことがあります。
(初刷部数は出版社やジャンルによって異なりますので、初刷が多いと増刷される確率も当然低くなってしまいますので実際はそう単純ではありません)
語学書に関しては1万部売れるだけでも「売れてる本」になります。
とにかく意外と売れない本ですから、まずは出版社とチームを組むという意識で、前向きに妥協しつつ、実績を積んで、自分の思うような書籍を企画すればいいと思います。
(まずは増刷がかかる本を2、3冊出さないと実績とは言えません)
準備というより「心構え」的な話になってしまいましたね。
そろそろ話が長くなってきましたので今回はこのへんで。企画書で触れるべき項目についても次回また書きたいと思います。
最後に僕の好物を。
なぜもらったのか理由は忘れちゃいましたが、スタッフからの贈り物です。
大量の「どんどん焼き」。
ほとんど、子供たちに食べられてしまいましたが。
Thanks for reading!