Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

未来の表現の話

Hi, みなさん、Evineです。

 

学生さんに英語を指導していると色んな未来の話になります。

 

それこそ塾が終わった後の自習の計画から明日の学校の話、来週や来月、いずれやってくる受験の話まで色んな先の話があります。今回はまずはこれだけ知っていれば事足りる基本を書いてみたいと思います。

 

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色んな先の話がある

先の話には「予定・計画」もあれば「漠然とした憶測・推測」や「根拠のある予測」、あるいは単純な「夢」などがあり、話し手(書き手)がどう描いているのか、何を伝えたいのか様々です。

しかも、先の話に100%はありません。いずれも主観・客観の気持ちが入り混じり漠然とした感覚も含まれます。

 

つまり、先の話に対してどんな状況、どんな気持ちでそれを表現するかによって未来の表現は様々なパターンがあります。適当にwill1つで勝負するのはあまりにも表現力として乏し過ぎるんです。

 

未来の話をする表現パターン

 

細かい話になるとまだもう少し選択肢はありますが、優先順位で考えると下の4つをまずは覚えておくと役立ちます。

 

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be going to V原形 vs. be Ving

まずは「be going to+V原形」と「進行形be V-ing」が示す未来の表現です。

 

  • (1) I'm going to post a new video about it.(それに関する新しい動画を投稿する予定です)
  • (2) We’re checking out tomorrow.(明日、私たちはチェックアウトします)

 

英文(1)の「be going to …」(…するつもり、予定)は、前から決めていた予定・計画を示します。一方、英文(2)の現在進行形「be V-ing」は、「…することになっている」という感じで、すでに手配済みのより確実性の高い予定・計画を示します。進行形の未来表現は、本来の用法と区別するために、副詞tomorrow (明日)のように未来であることを示す時の副詞をセットにするのが基本です。

 

(1) be going to+V原形 「…するつもりです、…する予定です」 …前から決めていた予定・計画を伝える
(2) 現在進行形be Ving 「…することになっています」 …手配済みの確定的な予定・計画を伝える

 

重要なポイントですが、どちらもカジュアル(インフォーマル)な響き!です。

 

「明日の予定を尋ねる」ニュアンスの違い

もう少し整理しましょう。

同じ「明日の予定を尋ねる」場合でも、ニュアンスに違いはあるんでしょうか。

 

  • (a) What are you going to do this weekend?
  • (b) What are you doing this weekend?

 

英文(a)は「考えている」予定・計画であり、英文(b)は「準備ができている」予定・計画です。つまり、(b)の場合は週末に実行することを尋ねたもので、英文(a)はどんな予定を考えているのかを尋ねているだけで、実際に実現できるかどうかは曖昧です。予定しているだけで計画倒れに終わる可能性は十分に秘めており、確実性はやはり現在進行形の(b)が上と押さえておくのが基本です。

 

助動詞willの未来表現

 

未来の表現として最も無難で使用頻度が高いのが、助動詞「will+V原形」を用いたパターンです。例文を2つチェックします。伝えたい内容の違いに注意してください。

 

  • (1) (The phone rings) I’ll get it.([電話が鳴って]僕が出ます)
  • (2) They will attend the opening ceremony.(彼らは開会式に参加するだろう)

 

英文(1)は、「(会話の最中で)その場で判断して決めた行動」を表現したものです。willは「(話し手の)強い意志」がニュアンスとして含まれ、会話の場面で何らかの意思決定として用いるのにピッタリです。一方、英文(2)のwillですが、「…するでしょう」という感じでシンプルに先の事柄を表現します。「意志」ニュアンスを含むwillですから、「必ずそうなる」という個人的な感覚(主観)からの「予測」や未来に起こるであろう「出来事」を表現するのに用いられます。

 

ちなみに、以前から決めている個人的な予定や計画をwillで表現することはできませんので注意してください。

 

(1)「(それでは)…します」 …その場で決めたことを伝える
(2)「…するでしょう」 …これから先の不確かな予測や(確実にそうなるであろう[自然の成り行き])事実を伝える

 

現在形の未来表現

では続いて、「現在形」を用いた未来の表現をチェックします。

 

  • My flight leaves at 5 p.m. tomorrow.(フライトは明日の午後5時発です)

 

現在形の未来表現は、個人の意思とは無関係で、もともと外部で設定されている予定です。そのため個人的に動かせないスケジュールの響きがあります。また現在形が本来持っている現在の事実などを話す用法と区別するために例文のtomorrow(明日)のように未来を示す時の副詞を伴うのが基本です。

 

現在形 「…です」 …時刻表、時間割、旅程など、固定された予定

 

もともと現在形は固定的・永続的なものを習慣や事実を表します。学校、会社、交通機関などの時刻表や時間割などは固定スケジュールであり、まさに現在形の本来のニュアンスに合うわけですね。後はtomorrowなどの未来を示す副詞とセットにすれば自然と現在形も未来の表現になります。現在形で表現できる未来については別の記事でも書きましたのでよろしければ併せて参考にしてください。

 

 

「予測」を示すbe going to

be going toは、見た目通り、もともとgoが進行形になったものですから、be going toには、既に物事が動いている響きがあります。そこから、予定・計画だけではなく、目の前にある状況証拠から今後の動きを予測する表現にもなります。

 

  • Watch out! You’re going to fall.(気をつけて!落ちるよ)

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足元を見ていないという状況証拠からこうなるんじゃないかな、という予測を示したものです。

 

  • There are big, dark storm clouds, and the wind is blowing. - Yeah, I think it’s going to rain. (大きな黒い嵐雲があるし、風も強いね。-うん、雨が降りそうだな)


風が強く黒い雲が広がっている雨の前兆を表現したものですね。

 

未来の表現使い分けクイズ

日本語を参考に、より自然な表現を用いた英文を選んでください。

 

(1) 「明日は雨です」

(a) It’s going to rain tomorrow.

(b) It’s raining tomorrow.

 

(2) 「今日、ジムとビーチに行きます」

(a) I’m going to the beach with Jim today.

(b) I’m going to go to the beach with Jim today.

 

(3) 「来年、当社はそのプロチームのメインスポンサーになります」

(a) We will be the main sponsor of the professional team next year.

(b) We're going to be the main sponsor of the professional team next year.

 

(4) 「いつ掃除を始めるつもりなの?」ー「わかったよ、今すぐやるよ」

When are you going to start cleaning up?

- (a) OK, I’ll do it right now.

- (b) OK, I'm going to do it right now.

 

(5) 「ああ、お母さん、また吐きそう!」

(a) Oh, I’m going to throw up again, Mom!

(b) Oh, I will throw up again, Mom!

 *自動詞throw up(吐く、戻す)

 

(6) 「放課後は医者に行く予定ですか」

(a) Will you go to see a doctor after school?

(b) Are you going to see a doctor after school? 

 

(7) 「始発のバスはここに6時に着きます」

(a) The first bus will arrive here at 6 a.m. 

(b) The first bus arrives here at 6 a.m. 

 

答え合わせ

(1) (b) It’s going to rain tomorrow.

現在進行形の未来表現は「手配済み」の感覚で用いるため「人が準備できる」事柄に限られます。「明日は雨です」といった神のみぞ知る、手配が不可能な状況下では使えません。

(2) (a) I’m going to the beach with Jim today.

ちなみに、もともとgo to …(…に行く)に対して、be going toを用いると冗長的でくどい響きがあるため、シンプルに現在進行形で未来を表現するのが自然です。
(△)(b) I’m going to go to the beach with Jim today.

 

(3) (a) We will be the main sponsor of the professional team next year.

be going toはインフォーマルな響きがあるため、フォーマルな響きで情報を発信する場合は、willが好まれます。

 

(4) (a) OK, I’ll do it right now.

相手にbe going toで個人の予定を尋ねられ、それに対してその場で決めたことをwillで表現したものです。この助動詞willの用法は、日常会話でもとてもよく使われます。

 

(5) (a) Oh, I’m going to throw up again, Mom!

目に見える外的な状況だけではなく、身体で感じる(内部)状態からの予測もbe going toで表現できます。ここでは吐き気をもよおしている身体の状況からの予測です。

 

ちなみにこうした緊迫した状況下で、willを予測として用いることはあまりありません。(△) Oh, I’ll throw up again, Mom!

 

willはもう少し漠然とした感覚や状況で用います。

(◯)I’ll throw up if I eat anything else.(もし他に何か食べたら、吐きそうです)

 

(6) (b) Are you going to see a doctor after school? 

個人的な予定はAre you going to ...?です。Will you ...?は相手の意思確認で「〜する気はありますか?」→「〜してくれませんか」と相手に指示する場面で用います。

 

(7) (b) The first bus arrives here at 6 a.m. 

公共交通機関の時刻は現在形で十分です。

 

いかがでしたか?今回は5問合格です。

 

このブログで扱う文法事項は拙著「Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル2」から抜粋してポイントを整理しています。より詳しい情報&演習にご興味のある方はぜひご覧ください。

 

https://ec.alc.co.jp/book/img/7018005.jpg

 

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