Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

現在進行形の話

Hi, みなさん、Evineです。

 

今回はどこか懐かしい感じのする「現在進行形」の話です。カタチは「be動詞+Ving」ですね。

簡単なようで、どうもしっくりこない、そんな方も多いのではないでしょうか。現役の中学生も、英語が苦手な生徒は進行形が入ってきた時点でますます頭を抱えます。

 

 

現在進行形のニュアンス

 

まずは、現在進行形を例文でチェックしましょう。次の2文を比較してください。

 

  • (1) It’s raining outside.
  • (2) He's sleeping on my bed these days.


(1) It’s raining outside.「外は雨が降っています」

この例文は「…しているところだ」とまさに会話をしている場で、今、進行している動作を示す現在進行形の典型的なイメージですね。

 

(2) He's sleeping on my bed these days.「最近、彼は僕のベッドで寝てるんだ」

英文(1)と同じ現在進行形ですが、2文目は少し雰囲気が違いますよね。

 

現在進行形は英文(1)のような「今、進行中の動作」を示すとは限りません。英文(2)は、彼は普段から自分のベッドで寝ているわけではなく、これはここ最近の一時的な習慣なんだということがニュアンスに含まれるわけです。これが現在進行形のコアな感覚です。

 

現在進行形…動詞に「一時的」「期間限定」の感覚をプラスする働き

 

実は、英文(1)でも同じ感覚でカバーできます。

雨は永続的に降り続かないと考えるのが自然で、この一時的な感覚を現在進行形で表現したものです。

 

進行形の表現

進行形の「一時的」感覚をベースに押さえておくべき表現を2つチェックしておきましょう。

 

  • My son is always snacking on something.(ぼくの息子はいつも何か間食ばかりしています)


「be always Ving」「いつも…してばかりいる」という意味で、副詞always(いつも)を用いることで、進行形の一時的な動作が強調され、あまりに頻繁なことに「驚き」や「苛立ち」の響きになります。

 

  • We’re getting ready for a Halloween event.(私たちはハロウィンイベントの準備中です)

get readyで「準備ができる」という表現ですが、これを進行形にすることで、徐々に変化していく状態が表現できます。「自動詞get+形容詞」(…になる)の進行形で「だんだん…になる」という変化の過程が強調されたものです。ちなみに、現在形We’re readyは「すでに準備ができている」状態を示します。


-ing形にしない状態動詞

 

動詞に一時的な継続状態のニュアンスを加えるのが進行形ですから、次のような継続性の高い動詞(「状態動詞」と呼ぶ)は進行形にはしません

 

I know Yuki. She’s in my team.(僕はユキを知ってるよ。彼女は僕のチームにいます)
(×) I’m knowing Yuki.

 

ある事柄について「知る」と、記憶が失われない限り、「知っている」状態は自動的に続くため進行形にする必要がなくなるわけですね。では次のhaveを用いた英文はどうでしょうか。

 

  • I have a reservation at ABC Kitchen tonight.(今夜、ABC Kitchenで予約をしてるんです)
  • I'm having chicken and avocado egg rolls.(チキンとアボカド入りの春巻きを食べています)

 

haveは状況に合わせて、色んな意味で使えるため、意味によっては進行形にできます。1文目の「持っている」という意味では状態動詞となり進行形はNGですが、2文目の「食べる」という意味では継続の響きがなくなるため進行形を用いることが可能になります。

 

現在形 vs. 現在進行形 クイズ

 

現在形と現在進行形の使い分けですが、慣れないうちは意外と難しいものです。自然だと思う方を選んでください。

 

(1) (a)[ I'm usually waking up / I usually wake up ] at 8 am, but (b)[ I wake up / I’m waking up ] at 6 am for the English test.


(2) My dad [ is / was / is being ] so noisy.  I think he’s drunk.

 

(3) Our tree [ died / dead / is dying ], so I googled what to do.(私たちの木が枯れてきていますので、どうしたらいいのかグーグルで検索しました)

 

(4) What [ are you looking / do you look ] for? You look so upset. 

 

答え合わせ

(1 )(a)[ I'm usually waking up / I usually wake up ] at 8 am, but this week (b)[ I wake up / I’m waking up ] at 6 am for the English test.(いつも午前8時に起きるんだけど、今週は英語のテストのために午前6時に起きてるんだ)

 

午前8時起床と午前6時起床

どちらが「日常習慣」であり、どちらが「期間限定」でしょうか。

this weekで限定される「午前6時起床」が「期間限定」です。というわけで(b)は現在進行形I'm waking upで表します。

 

(a)は、副詞usually(たいてい)と現在形I wake upを組み合わせることで、いつもの固定的な習慣を表現したものです。

 

(2) My brother [ is / was / is being ] so noisy.  I think he’s drunk(兄がかなり騒がしいな。酔っ払ってるんだと思う)

 

まずは「いつの話なのか?」ですね。2文目I think he’s drunk.(彼は酔っぱらっていると思う)への流れを考えると1文目も現在の話と考えるのが自然で、過去形wasは誤りです。残った現在形isまたは現在進行形is beingですが、be動詞は継続性の高い動詞で基本的には進行形にはしませんが、実は、伝えたい内容に合わせて、あえてbe動詞を現在進行形にする場合があります。

 

そこで「気持ち」に焦点を当てて時制を考えましょう。

仮に現在形My dad is so noisyにした場合、日常的に騒々しい兄の性格そのものを意味します。それはそれで正しい場合ももちろんありますが、2文目の「酔った状態」をわざわざ説明している文脈から、お酒の力で一時的に騒々しいだけと判断するのが自然です。この一時的な兄の状態を表現するのが現在進行形is being「一時的に…の状態だ」で、これが正解でした。

 

(3) Our tree [ died / dead / is dying ], so I googled what to do.(私たちの木が枯れてきていますので、どうしたらいいのかグーグルで検索しました)

 

問題(2)と同様に、die(枯れる)を進行形にして、「枯れつつある」という一時的な変化に焦点を当てたものです。ちなみにdeadは形容詞ですから、ここで用いるのであればis deadとbe動詞を文法的に補う必要があります。

 

(4) What [ are you looking / do you look ] for? You look so upset. (何を探してるの? かなり焦ってるみたいだけど)

 

2文目の内容より、普段から探し物をしている現在形は不自然です。今、一時的に何かを探している現在進行形が状況的に正解。

 

いかがでしょうか。今回は全問正解で合格でした。


進行形は、開始と終了という「時の区切り」のイメージが話し手にはあり、その中での進行過程を表現します。

進行形を用いる目的は、一時的、期間限定の動作を表現することを今回は押さえておけばOKです。

 

Thanks for reading.

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