Evine's Words エビンズワーズ

英語学習書籍『Mr.Evineシリーズ』ロングセラー著者であり英語塾を主宰する講師エヴィンの英語学習や出版情報&英文法学習ブログです。見出し以外にもカテゴリーより記事をご覧いただけます。 *叱咤激励、ご質問、ご相談など、ご自由にコメント欄に残してください。

現在形の話 現在形は現在にあらず?!

Hi, みなさん、Evineです。

 

今日は基本時制です。その中でも現在形は比較的フレンドリーな感じですが、会話指導をしていると意外と核心を押さえきれていない印象です。

 

 

「あなたの仕事は何ですか?」

 

英語にしてみましょう。

 

そのまま英語にすると、

What is your job?

になりますが、「仕事は何?」というのはストレートですよね。特に初対面の場合はあまりオススメしません。

 

そこで、オススメ表現があります。

What do you do?

です。

 

直訳すると「あなたはふだん何をしているの?」になります。他動詞do(〜をする)の内容を疑問詞whatで尋ねたもので、とてもシンプルな表現です。

現在形の感覚を理解していれば、この表現も自然と理解できます。

 

皆さんにとっての現在形は何でしょうか。たいていの生徒が「現在の話?」と答えますが、、。

 

高校英文法で学習する現在形の用法

 

現在形の用法を高校英文法の教材で調べてみると次のようなものが書いてあります。

 

  • 現在の動作・状態を表す
  • 現在の習慣・反復的動作を表す
  • 不変の真理・一般的事実を表す
  • 確定した未来を表す
  • 時・条件の副詞節で未来を表す

 

現在形1つ押さえるのに、上記のような用例の多さは気分が滅入ります。

もちろん、これはこれでしっかりとしたリストであり、覚えておいて損はしません。

 

ただこのような押さえ方だと知識はあるが話せない状態にハマります。

解決策は、文法のコアを押さえることです。

 

現在形のコアニュアンス

 

現在形は現在のことだけを話すのではありません。

例えば、次の例文。

 

  • I go to school.(学校に行く)
  • I go to work.(仕事に行く)

 

どちらも現在形ですが、学校や仕事は現在に限ったことではありません。以前から学校や仕事に行っているはずですし、この先も引き続き継続していくわけです。まさに、これが現在形本来の感覚です。

 

現在形今も、昔も、そしてこれからも続くニュアンス(永続的・固定的な事柄)

 

このニュアンスは上述した高校英文法の用法一覧いずれもカバーできるはずです。

 

What do you do?で職業を尋ねる表現になるのは、職業は定職と考えるのが自然だからです。一旦、就職するとまとまった期間(あるいは生涯)は固定で働くというイメージがあるため現在形でこのような表現になるわけです。

 

ちょっと発展レベルのような感じで扱われている以下の3つの用法も、すべてこのニュアンスで整理しておきましょう。

 

  • 不変の真理・一般的事実

The sun rises in the east.(太陽は東から昇る)

 

太陽は今はこうだけど昔は西から、そしてこれからは北から昇るなんてことはないはずですね。永続的に東から昇るわけですから現在形のニュアンスがしっくりきます。

 

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  • 確定した未来

Our flight leaves at 9 am tomorrow.(私たちのフライトは明日の午前9時に出発します)

  

現在形の未来の表現は特別なものではありません。学校や会社スケジュール、交通機関などの時刻表は固定スケジュールでコロコロ変化する感覚ではなくまさに現在形の本来のニュアンスに合います。

 

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現在形の未来表現は、個人の意思とは無関係で、もともと外部で設定されている予定です。そのため個人的に動かせないスケジュールの響きがあります。

 

また現在形が本来持っている現在の事実などを話す用法と区別するために例文のtomorrow(明日)のように未来を示す時の副詞を伴うのが基本です。

 

  • 時・条件の副詞節で用いる現在形

If the weather is nice tomorrow, we might go swimming. (明日天気がよければ、私たちは泳ぎに行くかもしれません)

 

Mom, I’ll go to bed when this episode ends. – Go to bed now!(お母さん、この話が終わったら寝るから。-今、寝なさい!)

 

教材ではよく、「時」と「条件」に分けて説明がありますが、区別は不要です。私はどちらも「ある行動をする(ある事が起こる)条件を表す文」として説明しています。とにかく、「〜であれば○○するよ(○○が起こるよ)」という話に現在形を用います。

 

条件はコロコロ変化するものではなく、固定的な感覚で話されますのでこれも現在形のニュアンスに一致します。条件は本当の意味でのこれから先の予想でも計画でもないためwillを用いないのは自然な事と理解しましょう。

 

現在形の確認クイズ

 

では最後に(  )に必要な動詞を適切な形で書いてみましょう。

 

1.  The earth (     ) around the sun.(地球は太陽の周りを回っています)

 

2. He (     ) so angry, but I didn’t do anything wrong.(彼はかなり怒ってるみたいだね、でも僕は何も間違ったことしてないけどなぁ)

 

3. Do you (     ) some waffles? – No, do we (     ) any chocolate(ワッフルどう?-いらない、チョコレートあったっけ?)

 

4.  We (     ) another test at 10:30 tomorrow.(明日、10時半に他のテストがあるんです)

 

5. What industry does your aunt (     ) in?(あなたのおばさんはどんな業界で働いてるの?)

 

 

現在形の確認クイズ 答え合わせ

 

1. The earth goes around the sun. (地球は太陽の周りを回っています)

不変の真理は永続的な現在形ニュアンスで表現できます。

 

2. He looks so angry, but I didn’t do anything wrong. (彼はかなり怒ってるみたいだね、でも僕は何も間違ったことしてないけどなぁ)

現在の状態もこの現在形です。自動詞look+形容詞(〜に見える)

 

3. Do you want some waffles? – No, do we have any chocolate?(ワッフルどう?
-いらない、チョコレートあったっけ?)

同じく現在の状態を示し、どちらも現在形です。like、want、have、knowなど一時点で完了する動作ではなく継続性が高いものは固定的な感覚の現在形で表す事が多いです。

 

4. We have another test at 10:30 tomorrow. (明日、10時半に他のテストがあるんです)

学校で決まられた固定的なスケジュールを示す現在形です。

 

5. What industry does your aunt work in? (あなたのおばさんはどんな業界で働いてるの?)

現在の習慣も固定的ニュアンスの現在形です。

 

時制は動詞のカタチですね。文型も動詞によって決まりますので、いかに動詞を抑えるのかがポイントです。業界を示す前置詞in(〜で)。

 

 

Thanks for reading.